ニューヨーク在住の画家、中川直人さんが被災地で1000人を描いたポートレート展を石神の丘美術館(岩手町、TEL 019-5-62-1453)で開催している。
中川さんは、東日本大震災で写真をなくした人たちのためにと、岩手、宮城、福島の3県で被災者や自衛隊員、ボランティアの肖像画を描いてきた。9.11同時多発テロの際に日本から贈られた千羽鶴に感銘を受け、被災地にいる人たちの顔を1000枚描くことを決めたという。2011年5月27日に大槌町からプロジェクトをスタートさせ、2012年6月2日に野田村で1000人目を描き終えた。
同展では、1000人分の作品のうち54点を同館のエントランスホールに展示。プロジェクトスタートの1枚目として描いた中川さんの母親のほか、1000枚目として描いた野田村の男の子の絵も展示する。作品は各地で展示後、モデルとなった人たちへ贈られる予定だ。
同館学芸員の斉藤桃子さんは「震災から2年たっているので、忘れないためにも多くの方に見てもらい、もう一度沿岸地域のことを思う機会になれば」と話す。
5月25日には、中川さんが会場を訪れ参加者と陰影法で静物画を描くワークショップを行う。開催時間は13時~15時。参加無料。現在参加者を募集している。
開催時間は9時~17時。入場無料。5月26日まで。