アグリビジネス創出フェア2025に出展したメンバーの集合写真

　一関工業高等専門学校（岩手県一関市　校長：小林　淳哉　以下「一関高専」）化学・バイオ系渡邊崇教授の研究室では、日本が直面する温暖化と食料問題の解決に向け、閉鎖循環式陸上養殖技術を活用した研究開発に取り組んでいます。このたび、令和7年11月26日（水）から28日（金）の3日間、東京ビッグサイトで開催された「アグリビジネス創出フェア2025」（主催：農林水産省）に、特許技術であるオゾン浄化を搭載した超小型閉鎖循環式陸上養殖システムを出展しました。

出展の様子

多くの方にご来場いただきました

どこにでも持ち運べる“超小型”の閉鎖循環式陸上養殖システムをご紹介！

　閉鎖循環式陸上養殖とは、陸上の水槽内で飼育水を浄化しながら繰り返し利用し、水替えを行わずに魚介類を育成する養殖方式です。環境負荷を低減しつつ、ウニなどの海洋性魚介類を安定的に生産できる一方、従来技術では「水質浄化」と「コスト」が課題となり、普及が進んでいません。

　渡邊研究室では、令和4年度から「みどりの食料システム戦略」に基づき、オゾン浄化システムを中核としたウニの完全閉鎖循環式陸上養殖システムの開発を進めています。本研究で開発した特許技術であるオゾン浄化は、アンモニアの脱窒、殺菌、脱色、脱臭、プランクトンの殺処理を一括で行うことが可能な技術です。

　さらに、「まずは手軽に技術を試したい」というニーズに応えるため、オゾン浄化技術を搭載した超小型閉鎖循環式陸上養殖システムを新たに開発しました。これにより、場所を選ばず陸上養殖技術を体験・紹介できる展示が可能となりました。

従来技術とオゾン浄化技術の比較

　アグリビジネス創出フェア2025の会場では、磯焼け対策をテーマとした研究内容を、超小型システムを用いて来場者に紹介しました。本システムは持ち運び可能な点が特徴で、研究機関や教育現場、地域イベントなどでの活用が期待できるとして、来場者の関心を集めました。

　また、スタートアップ総合支援プログラム（SBIR支援）主催のセミナーでは、渡邊教授が高専発の水産養殖ビジネスにおける技術シーズを発表し、産業界からも注目を集めました。

セミナーでの発表の様子

　今後は、今回の展示会で寄せられた意見や要望を踏まえ、ものづくりを強みとする高専発スタートアップとして、地域課題および社会課題の解決に貢献する技術の社会実装を一層推進してまいります。


今後もウニの陸上養殖を進めてまいります

【関連するお知らせ】
●アグリビジネス創出フェア2025 [外部リンク]

　https://agribiz.maff.go.jp/exhibitor-information/2
●SDGs動画コンテスト2025最優秀賞受賞！
　一関高専 渡邊研究室「MORE藻場 project」（一関高専ホームページ）
　https://www.ichinoseki.ac.jp/news/cb_oshirase.html?id=3298

■一関工業高等専門学校について
　一関工業高等専門学校は１学科４系からなる本科と１専攻からなる専攻科を備えた工業高等専門学校で、岩手県南部の一関市に1964年に創設されました。「明日を拓く創造性豊かな実践的技術者の育成」を教育理念とし、地域とともに歩む信頼される学校を目指しています。

一関工業高等専門学校
【学校概要】　　　　　　　　　　　　　　　　学校名：独立行政法人国立高等専門学校機構　　　一関工業高等専門学校　　
所在地：岩手県一関市萩荘字高梨　　　　　　
校長：小林　淳哉
設立：1964年4月　　　　　　　　　　　　　　
URL：https://www.ichinoseki.ac.jp/　　　　　
事業内容：高等専門学校・高等教育機関