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盛岡で「アール・ブリュット」トークイベント-制作現場を紹介

予想以上の反響から、ひと周り大きい会場で開催した「アール・ブリュットを巡るトークシリーズ」 Vol.2

予想以上の反響から、ひと周り大きい会場で開催した「アール・ブリュットを巡るトークシリーズ」 Vol.2

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 岩手県民会館(盛岡市内丸)で9月3日、トークイベント「アール・ブリュットが生まれる瞬間-現場から-」が行われ、満員となる約60人が集まった。

作品「にっき」

 滋賀県を中心に今年7月から行われている「アール・ブリュットを巡るトークシリーズ」の2回目として開催された同イベント。知的障害者や精神障害者が手掛けるボーダレスアート展「きららアート スペシャルセレクション」の関連イベントとして、同アート展の会場内で行われた。

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 アール・ブリュットはフランス語で「生の芸術」の意味で、美術教育を受けていない人によるアート作品と、その活動のこと。米国ではアウトサイダーアートとして紹介され、日本では「ボーダレスアート」といわれる手法で、現代アーティストとの作品と交えながら展示する企画展も増えている。昨年3月にはパリで「アール・ブリュット・ジャポネ展」が開催され、日本の作家と作品が広く紹介された。

 同イベントでは、岩手県内の障害者支援施設の職員として作品作りをサポートした経験を持つ田端一恵さん(現・滋賀県社会福祉事業団企画事業課長)が「作品が生まれる現場」からの視点として、日本のアールブリュット作家の代表格として知られる戸来貴規さん(岩手県在住)の「にっき」の制作現場を、エピソードと映像を交えて紹介した。

 田端さんは「戸来さんの作品は、端は何かにつなげ、三角の部分を塗りつぶすといった、一定のルールがある。まだまだ、私たちにもわからない秘密がありそうだが、それが作品の大きな魅力」と話す。

 現代アーティストとの類似点を指摘する聞き手の保坂健二朗さん(東京国立近代美術館研究員)は「(戸来さんは)コンセプチュアルアートを自然体で実践している。作品を創ることは毎日生きていることの証しでは」と分析する。

 トークシリーズは今後、滋賀県と東京都で順次行われ、人類学者の中沢新一さん(11月19日、明治大学)、作家の田口ランディさん(同26日、近江兄弟社学園)のセッションも予定されている。

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