盛岡の旧老舗旅館「盛久ギャラリー」(盛岡市中央通1)で6月17日、「紙町銅版画工房作品展」が始まった。
同展は、紙町銅版画工房(上ノ橋町5、TEL 019-652-6316)で銅版画を学ぶ生徒の作品を発表する場として、8年前から行っているもの。今回は20人の力作33点を展示する。
会場では、銅版画の技法の中から一般的なエッチングやアクアチントを中心に、ドライポイント、メゾチントなど、高い技術と表現力が要求される作品も展示。さらに、同工房が生徒らと制作に取り組んできた「蔵書票(エクスリブリス)」過去5年分、134点も展示する。
今年2月に銅版画を始めたばかりという宮崎まな美さんは「旅で訪れた思い出のベネチアを作品にしてみた。木版画に比べて銅版画は一般にはなかなかできない特別なものと考えていたが、この工房で作品作りに取り組めて楽しい。試行錯誤も多いが、意外に表現の幅が広いのがいい」と話す。
同工房代表の岩渕敏彦さんは「紙の宝石と言われる蔵書票は、世界に多くのコレクターもいるほど。本来の使われ方ではないが、交換を目的とした絵画にはない銅版画ならではの楽しみ方もある」とアピールする。
公開時間は10時~18時。観覧無料。今月22日まで。