「農業法人等への就業相談会」(主催=岩手県新規就農相談センター)が6月16日、いわて県民情報交流センター(アイーナ)で行われた。
会場には、30~50代の男性を中心に子連れの夫婦や若い女性など、農業に関心のある人たちが訪れたほか、県内の農業法人8社が参加。農業の分野に職を求める側と人材を求める側のマッチングが行われた。
冒頭では就農についてビデオ上映が行われ、その後会場に設けられたブースで県や関連機関の担当職員らによる相談会、農業法人との面談が行われた。
実家が兼業農家という女子大生は、「これからの時代には自給自足が必要と考えて参加した。農地は余っているのに、やる人がいないという現状で役に立てれば」と話す。「来年、新卒で農業を目指す」とも。
花巻市から参加した農業法人の担当者は「朝は早く、実際の労働時間も長い。体力も必要なので、異業種からの転職は簡単ではない」と現場の厳しさを指摘する一方、葛巻町の酪農家は「自然が相手の仕事なので、それまで機械的な仕事をしてきた人にとっては魅力かもしれない。計り知れない自然を相手にするからこそ、やりがいも増すもの」とエールを送る。
同会をまとめる岩手県農業公社の伊藤安男農業振興部長は「農家の高齢化から担い手がいないという深刻な状況がある一方、今の経済状況から農業が雇用の受け皿として見直されているのも事実。農業を志す人は、いきなり新規で就農するよりも農業法人などで経験を積んでから独立するなど、自分に合った形を選んでほしい」とアドバイスする。
岩手県での就農者は昨年、県が掲げていた目標の年200人を超え、5年後の定着率も90%を確保しているという。