岩手県立大学の学生が考案した「ゆきいちごサンドイッチ」の販売が、盛岡駅ビルフェザン内の「TREGION DELI」と「東北DORIPPERS COFFE STAND」で11月4日に始まった。
同商品は、フェザンと地元の学生が協働し、地域活性化に取り組む「スマイルチャージいわてプロジェクト」の一環で開発した。本年度は岩手県立大学総合政策学部の学生111人と、盛岡市内で飲食事業を手がける「Tregion」と共に、「岩手の未来を担う若者へ『食』の楽しさと必要性を広めよう」をテーマに4月から取り組みを進めてきた。
学生らはグループに分かれて商品を企画。7月に行われた最終審査会では、「若者のビタミン不足解消」を目的にイチゴとブルーベリーを使ったサンドイッチ「ゆきいちごサンド」が最優秀賞に選ばれた。その後、商品を考案したグループを中心とした学生有志11人が「Tregion」と商品化に向けて試作と試食を重ねてきた。
「ゆきいちごサンド」は、岩手山の雪をイメージしたクリームチーズと、岩手が出荷量日本一のリンドウをイメージしたブルーベリー入りの生クリーム、県産イチゴの果肉を挟み、食べる前に雪をイメージした粉糖を振りかける。学生たちが商品を紹介するためのキャラクターやロゴマークも考え、「一人前のサンドイッチ屋」を目指すウサギの女の子・みみかが、ビタミン不足で元気がない森の仲間たちのためにビタミンが豊富な果物を使ってサンドイッチを作る物語を告知物として制作した。キャラクターのみみかは、東北の方言「食べてみねが(食べてみませんか)」や、「美味(びみ)」などを掛け合わせて名付けた。
学生有志チーム「みみかのサンドイッチ屋さん」メンバーの海老名ぐんさんは「自分も含めて、大学生はあまりフルーツを食べる機会がなくて、もっと気軽に食べることができたらいいなと思っていた。サンドイッチなら食べやすい。県産のイチゴやブルーベリーで地産地消になるところと、写真映えを考えた色味もポイント。自分たちが案を出したものが商品として形となり、買ってもらえるのはうれしい。頑張って良かった」と笑顔を見せる。
Tregionの吉田慶社長は「キャラクターや物語など、ブランディングまで考えられていた点が最優秀賞として評価が高かった。私たちにできるのは、飲食業者としての知識で学生をサポートすること。クリームの味や量を学生の意見を取り入れて調整してきた。2つのクリームを少しずつ食べて、最後は一緒に食べると、3つの味わいが楽しめる」と話す。
価格は500円。