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盛岡・内丸にアーツ&クラフツショップ 人と物が集い、交ざり合う場所に

県内外の作家による手作りの品や雑貨、額縁などが並ぶ店内

県内外の作家による手作りの品や雑貨、額縁などが並ぶ店内

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 「Arts & crafts MODORANAI」(盛岡市内丸)が9月14日に店オープンした。

「Arts & crafts MODORANAI」外観

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 材木町で画材額縁専門店「アートショップ彩画堂」を運営する「盛岡藝術(げいじゅつ)舎」による新店舗。同社の伊山小枝子さんは以前から、クラフト関係の商品など画材以外のものを取り扱うための場所を探していたという。「私のやりたいことが彩画堂からはみ出てしまった。彩画堂で取り扱うのはちょっと違うなと。もっと手仕事の良さを話せる場所、人が集う拠点を作りたかった」と話す。新たな店舗を開こうと見つけた物件は、40年前ほどに「彩画堂」があった場所だったという。小枝子さんは「偶然ではなく、運命的なものを感じた」と笑う。

 店長を務めるのは盛岡出身の美術家・伊山桂さん。桂さんの祖母はかつて、紺屋町で「手づくりの店」という手作り品や古道具を販売する店を開いていた。現在の店を桂さんは「手づくりの店」の続きと位置付ける。店名の「MODORANAI」は、桂さんによる不可逆をテーマにした絵本作品の題名から取った。

 桂さんは「戻らないという言葉はマイナスなイメージがあるが、ずっと前進しているという意味ではプラスな言葉。『ここにはもう戻らない』と言う人ほど、戻って来るような印象もある。だから、戻って来てもいいよ、また来てねという思いも込めた」と話す。店長という役割については「絵を描くこととは違う気遣いが必要な仕事だが、楽しくやれている。作品作りも店長もどちらも続けたい」と話す。

 店内では県内外の作家による手作りの品のほか、糸やボタンといった材料、書籍、小さな額縁、鉛筆とスケッチブックなど少しの画材などを取り扱う。商品を並べる棚などは、彩画堂で保管してきた古い家具を活用。「画材を置くつもりはなかったけど、盛岡城跡公園でスケッチしたくなった時にここで買えたら良いかなと思って」と笑う小枝子さん。今後、取り扱う商品も増やしていく。

 2階は「Gallery & cafe KAMAWANAI」として、県内外の作家による展示などを定期的に行うほか、コーヒーなどを提供。窓からは盛岡城跡公園の木々が見え、自然の緑を生かすために壁を赤や黄色にした。ギャラリーの中には、故・菅原初代さんが彩画堂に預けた美術関連本を並べた「はつよ文庫」と、訪れた人が短歌を投稿する「短歌箱」を設置している。

 開店から半月が立ち、来店者からは「面白い」「懐かしさを感じる」と声をかけられるという。小枝子さんは「彩画堂とは客層が違うので、こちらも新鮮な気持ち。人と人は会わなければならない、会って話さなければならないと感じている。人と物がごちゃっと交じり合う場所になれば」と話す。

 営業時間は11時~18時。火曜定休。

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