
ベアレン醸造所のビールを保湿成分として配合した液体入浴料「ベアレンベアのおふろじかん」が9月13日に発売された。
商品を企画した「白矢産業」(紫波町)の吉田拳さんはベアレンビールのファン。ベアレン醸造所が2023年に20周年を記念して実施した、さまざまな企業・団体などとコラボレーションを行う「ベアレンとカケルプロジェクト」をきっかけに、約2年の開発期間を経て開発を進めてきた。
入浴料のアイデアは東ヨーロッパで親しまれている風呂にホップや麦芽などを入れる「ビール風呂」の文化から着想を得た。「日本でもビール風呂に入ってみたいと思った。自分で浴槽にビールを入れることも考えたが難しい」と吉田さん。「もっと気軽に楽しめる方法として、色や香りをビールに似せて、本物のビールを配合した入浴料を作れないかと考えた」と話す。
提案を受けたベアレン醸造所の嶌田洋一社長は「ビール風呂のことは知っていたので、飲む以外の方法でビールを楽しめそうだなと思った」と話し、「これはカケルプロジェクト最後の完成品とも言える」と笑顔を見せる。
入浴料に使うのはベアレン醸造所の定番缶商品「TGピルスナー」。缶に傷やへこみがあるものや、賞味期限が近いなどの理由で飲料としての出荷が難しいビールを優先的に原料として使っている。出荷できない商品は社員が購入するもの以外は廃棄になるため、原料に使うことでアップサイクルにつなげる。同社が化粧品原料としてビールを提供するのは今回が初めて。
お湯に溶かした時の色と香りもTGピルスナーに近づけ、社員らも「色もただ黄色いのではなく、かなりビールに似ている色合い。ホップの香りも感じる」と評価する。パッケージにはベアレンビールのロゴやパッケージにデザインされているクマがビールジョッキの風呂に漬かっている姿が描かれている。嶌田さんは「ベアレンの新しい楽しみ方として、ファンの皆さんに面白いと思ってもらえれば」と話す。
吉田さんは「ベアレンビールが入った入浴料で風呂に漬かり、風呂上がりにベアレンビールを飲んでもらいたい」と呼びかける。
オープン価格。ベアレン醸造所北山工場直売所とウェブショップのほか、県内スーパーで取り扱う。