
不動産コンサルティングなどを手がける「ボルテックス」(東京都千代田区)と岩手銀行(盛岡市中央通1)が7月9日、「いわぎんSDGs私募債」を活用し、ヘラルボニー(開運橋通)と川徳(菜園1)に家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」を寄贈した。
同私募債は、私募債発行の手数料の一部を原資として、SDGs達成に貢献する取り組みを行う企業や団体などへ寄付を行うもの。寄付先は私募債を発行する企業が指定する。今回は「障害者アートのライセンス管理や商品化などを手がけるヘラルボニーと、同社の旗艦店「ISAI PARK」を展開することで地域との交流や発信に取り組む川徳の活動に対し、ボルテックスが共感したことから寄贈に至ったという。
「ボルテックス」執行役員金融法人部本部長の松岡明さんは「先入観にとらわれることなく、作家の才能を世界に届けるヘラルボニー、ショップ展開を通じて地域貢献につなげる川徳の活動が、ボルテックスが掲げる目標や目的に合い、共感した」と話す。
寄贈品はヘラルボニー側が提案した候補の中から、ボルテックスが選んだという。「ISAI PARK」のストアマネジャー・大田雄之介さんは「寄付の話を頂いてから非常に悩んだ」と話し、LOVOTは人に近づいたり、見つめたり、甘えたりする特徴があることを挙げ、「ISAI PARKはその名の通り、公園のように誰もが受け入れられ、安心して訪れられる場所がコンセプト。LOVOTはこの理想に合うパートナーになると思った」と話す。
岩手銀行頭取の岩山徹さんは「岩手を代表する企業への応援、地域振興への思いを込めて寄贈を決定してもらった。LOVOTは接する人に癒やしと安心感を与えるコミュニケーションロボット。訪れる人を温かく迎え、心地よい空間を作ってくれることを楽しみにしている」と話す。
LOVOTはヘラルボニーが販売するスカーフを身に着けて登場。寄贈式の間はきょろきょろと周りを見渡すようなしぐさを見せた。式の途中でテーブルから床へ下ろされると動き出し、出席する関係者や報道陣に近づいていき、笑い声がこぼれる場面もあった。
今後、LOVOTは「ISAI PARK」内で来店客を迎える予定。同店のスタッフや川徳の社員からは「一緒に働こうね」と温かく迎えられた。LOVOTが店内でどのように過ごすのかについて太田さんは「LOVOTの意思次第。どんな風に皆さんを迎えてくれるのか私たちも楽しみ」と笑みを浮かべた。