
盛岡市動物公園ZOOMO(盛岡市新庄)で4月5日、土曜・日曜・祝日限定園内シャトルカー「ZOOMO BUNNY GO!」の運行が始まった。
同園は周囲を山に囲まれた自然豊かな環境が特徴。2023年のリニューアル時にはその環境を生かし、里山を守りながら動物たちが生き生きと暮らす施設として整備した。園内は坂道があり、ハイキング感覚で楽しめる良さがある一方、子どもや高齢者、足腰が弱い人は歩き疲れてしまうことが多く、リニューアル前はワゴン車を使った坂道シャトルカーを運行し、坂道の上り下りをサポートしていた。
リニューアル後は園路が狭くなり、ワゴン車の坂道シャトルカーは運行できなくなった。その代わりにベンチなど休める場所を増やしたが、「坂道がつらい」「坂道シャトルカーを再開してほしい」という声が寄せられていた。広報担当の森敦子さんは「ZOOMOに坂道が多いということを知っている人は、来園を避ける傾向もあると感じている。知らずに来園した人が『こんなに坂が多いとは思わなかった』と驚くことも少なくない」と話す。
坂道シャトルカーの再開について検討を進める中、同園が所有する電動車を活用した「グリーンスローモビリティー」のアイデアが出てきたという。グリーンスローモビリティーは、時速20キロ未満で公道を走ることができる電動車を活用した小さな移動サービスの総称。同園では昨年の夏に電動車を使って園路に水をまく「ZOOMO splash time」を実施し、狭い園路でも走行可能なことを確認していた。秋に坂道シャトルカーとして使うための実証実験を行い、安全性や運行ルートを確かめ、春からの坂道シャトルカー運行再開を決めた。
新たな坂道シャトルカーは、4月~10月のレギュラーシーズン期間のみ、土曜・日曜・祝日限定で里山エリアのトウホクノウサギ横の停留所とビクトリアエリアのオオツノヒツジ横の停留所を往復運行。車両は6人乗りで、後方には折り畳んだベビーカーを載せることができる。園者に親しんでもらおうと、「ZOOMO BUNNY GO!」と愛称を付けた。車体はトウホクノウサギの冬毛をイメージし、耳と口、まつ毛、尻尾を付けて装飾。走行音が静かなため、車両の接近を知らせる鈴も取り付けた。
森さんは「開放感がある車両で、園内をゆっくり散歩しているような乗り心地も特長。坂道だからと避けていた皆さんの来園のきっかけになれば」と呼びかける。
片道運賃は大人=300円、小中学生、65歳以上=100円。小学生未満、障害のある人とその介護者は無料。