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もりおか歴史文化館で南部鉄器展 職人たちの技術と個性光る

展示室にずらりと並んだ南部鉄器の数々

展示室にずらりと並んだ南部鉄器の数々

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 特別展「南部鉄器-受け継がれゆく美と技-」が現在、 もりおか歴史文化館(盛岡市内丸)で開かれている。

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 南部鉄器協同組合と共催する同展。同館は組合青年部所属の若手職人らによる「南部鉄器青年展」の会場になっていたほか、2020年には組合所属職人の新作南部鉄器を展示する「新作南部鉄器展」を開催してきた。2023年から新作南部鉄器を中心に展示する特別展を続けている。

 もりおか歴史文化館の小西治子さんは「南部鉄器は盛岡藩時代から受け継がれている伝統工芸の一つ。藩主お抱えの職人たちがやがて自分で工房を持ち、それが現代まで脈々と生きて、今の職人の技術につながっている。技を絶やさない、という思いが南部鉄器から伝わってくる」と話す。

 今回は20~70代の職人20人による39件50点の作品と、制作図面4点を展示。展示作品は基本的に新作で、伝統的な形から、動植物をモチーフにしたユニークな鉄瓶、現代の生活になじむような実用的なデザインなど、職人がそれぞれの個性やアイデアを出している。「年齢や工房の垣根を越え、これだけたくさんの職人の作品が並ぶのは貴重な機会。普段販売用に作っているものとは違う、職人らしさを感じてほしい」と小西さん。

 「南部鉄器は実用品である」という考えから、ガラスケースを使わない形で展示し、一部商品は販売する。スタッフに申し出れば手袋を着用した状態で触れることも可能で、実際に使用する時の重さや持った時の感触を確かめられる。期間中、来場者による作品の投票を受け付けるほか、毎週土曜には南部鉄瓶で沸かしたお湯の試飲会も行う。

 南部鉄器協同組合理事長の佐々木和夫さんは「今年はユニークなものが多く、職人の個性が感じられると思う。表現の形の変化も楽しんでほしい」、事務局長の松浦清富さんは「模様やつまみに職人の遊び心が現れている。若い職人たちの力も見てもらいたい」と話す。

 開館時間は9時~18時(入場受け付けは17時30分まで)。入場無料。3月17日まで。

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