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盛岡の書店がクレイグ・モドさんの新刊出版 盛岡から生まれた輪がつながって

「盛岡の輪が生んだ一冊」とこだわりが詰まった著書を手にするモドさん

「盛岡の輪が生んだ一冊」とこだわりが詰まった著書を手にするモドさん

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 米国出身の作家クレイグ・モドさんの著書「KISSA BY KISSA 路上と喫茶 -僕が日本を歩いて旅する理由」が11月25日、ブックストア「BOOKNERD(ブックナード)」(盛岡市内丸)から出版された。

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 モドさんは2000(平成12)年に留学をきっかけに来日。現在は神奈川県鎌倉市に住んでいる。2021年に10カ所の中核都市を訪れる取材の中で盛岡を初めて訪れ、ニューヨーク・タイムズ紙の「2023年に行くべき52カ所」に盛岡を紹介する記事を寄稿した。その後も盛岡を度々訪れ、市民との交流を続けている。

 「KISSA BY KISSA」は2020年にモドさんが自費出版したもので、東京から京都までを結ぶ旧中山道などを歩いて巡った旅で立ち寄った喫茶店や出会った人々、街の風景などについて写真とテキストでまとめたロードエッセー。「いつか日本語版を出したい」と考えていたモドさんは「BOOKNERD」の店主・早坂大輔さんと出会い、同店が出版も行っていることを知ると「この人を通じて本を出したい」と思ったという。

 「早坂さんが出版してきた本はどれもかわいらしく、素晴らしいものだった。BOOKNERDから本を出すのが夢になった」とモドさん。2023年からさまざまな出版社の可能性を探る中、モドさんが盛岡を再訪した時に早坂さんに出版について相談すると一度は断られたという。早坂さんも「その当時は忙しくて断ってしまったが、機会があればとは考えていた」と振り返る。その後もやりとりを続け、今年に入ってから少しずつ出版の準備を進めてきた。

 モドさんはこれまでも自費出版で著書を出してきた経験から、印刷や装丁などに細かなこだわりを持って本作りに取り組んだ。「本当に細かかった」と早坂さん。「でもそれは重箱の隅をつつくような嫌なこだわりではなく、楽しいこだわりで彼なりの美学。できるだけ要望に沿いたいと思った」と話す。

 完成した本は「読んだ人が旅に出たくなるように」とバッグやコートのポケットに入れて持ち歩けるサイズで、「映画を見るように読んでほしい」というアイデアから90分ほどで読み終わる長さに仕上げた。奥付には、モドさんが盛岡についてニューヨーク・タイムズ紙に寄稿したことや、その後も交流を続ける中で本ができたことを伝える一文を添えた。

 モドさんは今後、盛岡に関する本の執筆についても考えているという。モドさんは「私が盛岡を訪れ、人々に出会い、その人々がまた新しい出会いをくれて、奇跡のような本が完成した。盛岡から生まれた輪がこの本でつながったと感じている。私の歩き旅の哲学は、スマートフォンを見ないこと。皆さんもスマートフォンの画面を見ずに、盛岡の街を歩いてみてほしい。そうすると、まだ気付いていない魅力を発見できると思う」と呼びかける。

 B6判、仮フランス装、160ページ。価格は2,500円。「BOOKNERD」や「さわや書店」のほか、全国の書店・小売店で販売する。

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