障害者アートのライセンス管理や商品化を手がける「ヘラルボニー」(盛岡市開運橋通)が来年2月、「パルクアベニュー・カワトク」(菜園1)1階に旗艦店「ISAIPARK」を開店する。
25日の記者会見でパネルを持つ荒道社長(左)と松田さん(右)
ヘラルボニーは2020年12月に初の常設店舗をパルクアベニュー・カワトク3階に出店。その後、2022年4月に1階へ移設し、今年5月にリニューアルのために閉店した。新しい店舗は、1階正面エントランスの並びにある約220平方メートルの区画で、これまでの店舗の5倍の広さとなる予定。自社ブランドの商品を販売するショップのほかギャラリーとカフェを併設し、専用の風除室から直接店舗に入店できる。
パルクアベニュー・カワトクは2023年から全館リニューアルプロジェクトに取り組み、ヘラルボニーの旗艦店をプロジェクトの集大成と位置付けた。10月25日に行われた記者会見で同店を運営する川徳の荒道泰之社長は「全国の地方百貨店では売り上げの減少や閉店が相次ぎ、冬の時代が続いている。その理由の中には世の中の変化に対応しなかったことが考えられる」と説明。「地域の皆さんを引き付けるリニューアルが必要。新しいカワトクになるためには、物を売るだけではなく、文化を発信していくことが大事」と話した。
ヘラルボニーの共同代表・松田文登さんは「ヘラルボニーが最初にショップを構えるならカワトクだという思いで、2019年のポップアップショップからカワトクとのつながりが始まった。自分も店頭に立っていたことを覚えている」と振り返り、「ヘラルボニーが好きとか好きではないという考えや、百貨店で物を売る、買うということを超えて、いろんな人が集まり交ざり合う場所になれば」と話した。
両社はリニューアルに伴う店装と新規販促企画の資金を募るクラウドファンディングを25日に開始。支援金額は1口5,000円から。金額に応じて、ヘラルボニーのオリジナルグッズなど返礼品を用意する。
「旗艦店でしか買えない物を用意してほしいと先ほど文登さんに頼んだ」と荒道さん。「この地から百貨店をなくさないという覚悟を持っている。クラウドファンディングを通じて、これまでカワトクに興味がなかった層に知ってもらい、地域の皆さんには『カワトクって変わってきたよね』と感じてもらいたい。世界からいろんな人が集まるサードプレース、文化発信拠点になれば」と意気込む。
クラウドファンディングは来年1月23日まで。