盛岡の葺手町(ふきでちょう)商店会で現在、クイズラリーイベント「フキデチョウの謎」が開催されている。
「葺手町」は現在の「中ノ橋通一丁目」周辺の旧町名。同地域の店舗などで構成する「葺手町商店会」では、地域の子どもたちと一緒に季節のイベントを行うなど交流を続けている。クイズラリーを企画した東北芸術工科大学4年の浅沼芽吹(めぶき)さんも同地域出身で、幼い頃からイベントに参加したり、手伝ったりしてきた。
授業の中でイベントを通じて地域を盛り上げることを学び、卒業制作の一環として、地元でのイベントを企画したという。子どもの頃から葺手町に関わり、地域の魅力を感じてきたことも背景にある。浅沼さんは「葺手町の良さを言葉にするのは難しくて、『なんか良いな』という気持ちがずっと心の中にある。この『なんか良いな』という魅力を伝えるには葺手町に関わってもらうのが一番だと思い、参加型のクイズラリーを企画した」と話す。
「地域の子どもたちが葺手町のことを忘れないでほしいという思いで一緒にイベントをやってきた」と葺手町商店会の松本征子会長。「(浅沼)芽吹さんのことは小学生の時からずっと見てきた。大学生になり、また地域に関わってくれてうれしい。彼女の頑張りを見て、私たちが取り組んできたことが芽吹いたんだなと感じている」と話す。
今回は地域内16の店舗・施設に謎解きクイズを掲示。浅沼さんが各店舗や施設を訪れてインタビューし、各所の歴史や大切にしていること、こだわりなどをクイズに落とし込んだ。参加者には地域内で配布している解答用紙を持ち、クイズを解きながら街歩きを楽しんでもらう。解答用紙はクロスワードパズルになっていて、謎解きクイズの答えがパズルを解く鍵になる。ワードパズルを完成させて最後の答えを導き出すとプレゼントに応募できるようにした。正解者の中から抽選でクイズラリー参加施設からの賞品を贈呈する。
「クイズを解きながら、葺手町をゆっくり歩いて回ってほしい」と浅沼さん。「参加した皆さんにも『葺手町ってなんか良いな』と思ってもらうことが企画のゴール。『なんか』がどの部分なのか、謎を解いて、葺手町の人と交流しながら見つけてほしい」と呼びかける。
9月23日まで。