盛岡市立図書館(盛岡市高松)が4月2日、リニューアル開館した。
「テーマ書架」に囲まれた「たかまつラウンジ」。「盛岡」がテーマの棚も
同館は1971(昭和46)年に現在の場所に開館。50年以上がたち、建物の老朽化が進んだことに加え、耐震強度が現在の基準に満たないため、2022年10月から一時的に休館し、大規模な改修工事を行ってきた。
増築は行わず、耐震補強のほかエレベーターの新設や車いす・ベビーカーが通りやすい通路幅の確保、ベビー休憩室の設置といったバリアフリー化を進め、利便性を向上。市民や高校生などへのアンケートを基に設計を進め、要望があった飲食可能なスペースも設置した。
2階には子ども向けの図書が並ぶ「こどもライブラリー」と飲食可能な「もりおかサロン」を設置。こどもライブラリー内には読み聞かせスペース「おはなしのいけ」を設け、絵本や紙芝居を使った読み聞かせ会などを開く。
3階のメインライブラリーは高松の池に隣接する環境を生かし、外の景色を望みながら読書ができる「ほとりの読書スペース」を設置。10種類のテーマ別に本を並べた「テーマ書架」を取り囲むように配置した「たかまつラウンジ」はくつろぎながら展示や本を楽しめる空間になっている。
2日に行われた記念式典には内舘茂市長ら関係者が出席したほか、開館を心待ちにしていた市民も多く集まった。高校生時代に同館へ通っていたという内舘市長は「図書館は読書だけではなく、学習機会の創出や日常での課題解決などさまざまな役割を持つ。市立図書館が幅広い世代にとって生涯学習に欠かせない拠点施設になるように期待する」と話した。
式典の後は一般利用が開始し、早速本を借りる人や読書・学習スペースを活用する人の姿が見られ、「前より明るくなった」「景色が見えるのがいいね」「広くなったように感じる」といった声が聞こえた。
リニューアルに合わせて作った新しいロゴマークは、開いた本と高松の池に飛来する野鳥をモチーフにしたデザイン。同館は盛岡の知や人が自然に集まり、羽ばたいていく「知のビオトープ」となることも目指す。伊藤佳子館長は「明るくて、ゆったりくつろげる落ち着いた空間になった。赤ちゃんから高齢者まで、幅広い世代の皆さんに何度も繰り返し訪れてもらいたい」と呼びかける。
開館時間は9時~18時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。月曜休館。