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盛岡市都南図書館で今年も震災資料展 「明日起こるかも」を伝え続けて

能登半島地震の発生と被災状況を伝える新聞の展示

能登半島地震の発生と被災状況を伝える新聞の展示

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 盛岡市都南図書館(盛岡市永井)で現在、「3.11東日本大震災資料展」が開催されている。

レファレンスルームでの資料展示。桜の花の飾りが震災資料展の目印

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 同館では東日本大震災の記憶を風化させないため、2012(平成24)年から毎年、震災関連資料の展示を続けている。今年は1月1日に発生した能登半島地震に関連し、発災直後の被災地の状況を伝える新聞記事も展示する。

 通常、同館では新聞を資料として保存しているため切り抜きなどができないが、近隣の都南総合支所の協力の下、同所が利用者用に用意している新聞を引き取り、能登半島地震に関連する記事を切り取って展示することとした。地震発生後の新聞は同館でも保存しているため、その後の報道の様子も資料として閲覧できる。

 展示を担当する島野雅子さんは「能登半島地震は、東日本大震災以来の大規模な津波被害となり、各新聞社が特集を組んで取り上げている。被災地の写真を見ていると、東日本大震災の時と似ている風景で胸が痛む。震災の時の教訓が能登の地震で生かされていることを願う」と話す。

 2階閲覧室入り口付近とレファレンスルームでは、同館収蔵の震災関連資料を展示。閲覧室では貸し出し可能な図書、レファレンスルームには館内閲覧可能な資料が並び、昨年出版されたばかりの新しい書籍や被災地の声をまとめた本、復興・防災に関連する資料、スポーツ雑誌の震災特別版、専門家の視点から震災を見た本などが選ばれている。

 15日からは、岩手県立図書館で昨年行われた展示「幾歳(いくとせ)経るとも要心(ようじん)あれ~地震・津波災害の記憶~」の巡回展を開催。同展は地震・津波災害をテーマに、関東大震災と昭和三陸地震について、災害の状況や2つの地震を後世へ伝える震災伝承について取り上げる。

 島野さんは「東日本大震災で盛岡の被害は大きくなかったが、復興に向けた取り組みを今も続けている。この資料展は『地震災害は明日起こるかもわからない』を伝えるためにずっと続けていきたい。年に1度の展示を通じて、震災のことを思い出し、災害時に自分の命を守るため、命が助かった後に再建していくための知識に役立ててほしい」と呼びかける。

 開館時間は9時~18時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。月曜休館。能登半島地震の新聞展示と閲覧室での収蔵資料展示は14日まで、レファレンスルームでの収蔵資料展示と県立図書館の巡回展は24日まで。

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