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盛岡でホームスパンを知って、触れる展示会 手仕事の質と温かさ伝えて

イベントに合わせて「時空の商店街」入り口付近に設けられた「みちのくあかね会」のミニコーナー

イベントに合わせて「時空の商店街」入り口付近に設けられた「みちのくあかね会」のミニコーナー

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 ホームスパン製品の展示や体験を行う「ホームスパンの魅力にふれる手しごと展」が12月16日・17日、「もりおか町家物語館」(盛岡市鉈屋町)の大正蔵2階で開催される。

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 ホームスパンは、羊毛を手紡ぎ・手織りした織物のこと。ホームスパンに気軽に触れてもらう機会を作ることで、その魅力に気付いてもらおうと企画した。大正蔵1階にある盛岡市の特産品や工芸品などの販売エリア「時空(とき)の商店街」では、市内でホームスパンを製造販売する「みちのくあかね会」のコーナーを設け、帽子やブローチ、印鑑ケースなどの小物を取り扱っている。当日は、同社が製造するネックウエアやアームカバーなどの展示と試着体験、有料の糸車体験ができるほか、ギフト提案コーナーを設ける。同社のスタッフが来場者の質問に対応する。

 イベントを企画したのは、大正蔵ショップ&カフェの支配人・東海林千秋さん。「ホームスパン製品に触れた時、見た目より軽くて柔らかいことにとても驚いた。作る過程を知り、糸紡ぎから染色と織りまでを人の手で行うことや、毛に空気が含まれるから軽くて温かいこと、いくつもの工程があり手間がかかることが分かって、高価ながら価格に見合う高い質が伴っていると感じた」と話す。

 東海林さんは専門学校の講師を務めていたことがあり、生徒と一緒に街を歩いている最中、ホームスパンと書かれた看板を見つけた生徒から「パン屋さんだと思った」と言われたという。「本人は『ホームスのパン』だと思っていたようだった」と東海林さん。ホームスパンの認知度の低さを実感したというが、東海林さん自身もホームスパンについて詳しくはなかった。「高価なイメージがあって少し近寄り難く、どういう良さがあり、魅力があるのかということをあまり知らなかった」と振り返る。

 イベントには、岩手に残る貴重な技術を知ってもらいたいという思いも込める。「ホームスパンが産業として残っているのは岩手だけだと聞く」と東海林さん。「高価な物だから、触れるのも試着するのもためらってしまうと思う。買う買わないは気にせず、自由に手に取って、気兼ねなく触れてみてほしい。寒い岩手にホームスパンという技術が長く残っている理由、高価な理由、手仕事の温かみにきっと気付いてもえるはず」と話す。

 開催時間は10時30分~16時。入場無料。

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