「第1回 生姜町映画祭」が11月11日、杜陵老人福祉センター(盛岡市南大通1)で行われる。
映画祭のタイトルにも使われている「生姜町」は、現在の肴町から八幡町周辺の旧町名が由来。生姜町で大正時代に開館した活動写真常設館「紀念館」は盛岡で最初の映画館として知られ、その後、昭和期には「御園(みその)座」という映画館も開館している。この歴史が、映画祭を企画するきっかけになったという。
もう一つのきっかけが、生姜町の町名にちなんで2021年に始まったイベント「盛岡しょうが市」。生姜町にかつて鎮座していた「神明社」の祭礼でショウガを売る習慣があったことから着想を得て、飲食店でショウガを使った限定メニューを提供する取り組みを続けている。
実行委員会の佐藤快威さんは知人から生姜町の話を聞き、町の歴史と「盛岡しょうが市」に感銘を受けたという。佐藤さんは「盛岡に生まれた映画好きの一人として、盛岡と映画館と映画作品が今後どのようにつながり続けていくか考えていた。その中で、生姜町の町名と歴史的背景を踏襲しているイベントに心が引かれた。映画との関連もある旧生姜町エリアなら、面白いつながりを生み出せるのではないかと思った」と話す。
今回は「盛岡しょうが市」と同時期に開催することから、「食や暮らしの伝承」にまつわる作品を選定。秋田の伝統野菜「沼山大根」についてのドキュメンタリー作品「沼山からの贈りもの」、早池峰山の麓にある「タイマグラ」という地域で暮らす老夫婦の姿を記録した映画「タイマグラばあちゃん」を上映する。2作品の上映の間には、生姜町と映画をテーマにした茶話会も予定している。
実行委員会の小向光さんは「映画作品とその楽しさに触れながら、地に足の着いた暮らしについて考える機会を皆さんと共有したい。そして、生姜町を楽しんで」と呼びかける。
「沼山からの贈りもの」は10時から、「タイマグラばあちゃん」は14時30分から上映。茶話会は13時から。入場無料。会場近隣で同日開催する「盛岡しょうが市感謝祭」の会場で9時30分から整理券を配布する。