盛岡市内の歴史的建造物を会場にした周遊型芸術祭「MORIOKA ARTS TRAVERSE(モリオカ・アーツ・トラヴァース)~もりおか周遊舞台芸術祭~」が、11月23日~26日に開催される。
同芸術祭は、岩手県各所で文化芸術活動に関するイベントを行う「アーツライブいわて2023」の企画の一つ。「時間と空間との呼応」をテーマに、旧石井県令邸、岩手県公会堂、岩手銀行赤レンガ館、もりおか啄木・賢治青春館の4会場で展示や公演を行う。会場を周遊しながら、さまざまなジャンルのアーティストによるパフォーマンスを通じて芸術体験を楽しめる。
旧石井県令邸では劇作家・演出家として活動する村田青葉さんによる体験型演劇作品の上演、アラカワケンスケさんによるデジタルインスタレーションの展示、俳優の小菅紘史さんと音楽家の中川裕貴さんによる朗読演劇の上演を予定している。
岩手県公会堂では、大畑眞さんと井澗(いたに)昌樹さんの2人の作曲家が岩手に滞在して制作した曲をいわてフィルハーモニー・オーケストラ木管五重奏アンサンブルと演奏するコンサート、岩手出身のバイオリニスト・町田匡さんといわてフィル弦楽アンサンブルによるビバルディの「四季」を演奏するコンサートを開く。
もりおか啄木・賢治青春館では、盛岡出身の打楽器・マリンバ奏者の熊谷綾子さんによる「自然」をテーマにしたソロコンサート、岩手銀行赤レンガ館では、ダンサーの森下真樹さん、中村駿さん、酒井直之さんがベートーベンの音楽に合わせて踊るコンテンポラリーダンス公演を行う。
開催に向け、各公演の準備が進んでいる。10月30日には「もりおか町家物語館 浜藤ホール」で町田さんといわてフィル弦楽アンサンブルが初めてのリハーサルを行った。昨年の「アーツライブいわて」でもいわてフィルと演奏を行った町田さん。「初めて合わせるので、まだお互いに手探りの状態だが、こちらの要望にしっかり応えてもらえていると感じる」と話し、歴史的建造物での演奏については「非常に面白い試み。古い建物で歴史のある曲を演奏するのは現代の先端を行くアプローチだと意識している」と意気込む。
今回はビバルディの「四季」のほか、作曲家のマックス・リヒターが「四季」の要素を25%使って再構築した「25%のヴィヴァルディ」から抜粋して演奏。町田さんは「ビバルディの代表的な曲とマックス・リヒターの現代的なサウンドの組み合わせも楽しんでもらいたい。四季には季節の情景を描いた短い詩が付いている。それを音で描写すること、再現することに焦点した演奏になっている。それぞれの風景や場面を思い浮かべながら聴いてみて」と呼びかける。
各公演・展示の日時、料金、チケットの販売・予約については「アーツライブいわて2023」のウェブサイトで発信している。