わしの尾(八幡平市)が現在、漫画「ゴルゴ13」とコラボレーションした日本酒の予約を受け付けている。
同作品の「ビックコミック」(小学館)での連載55周年を記念し、企画された商品。作者のさいとう・たかをさんが岩手とゆかりがあることから、「さいとう・プロダクション」などで構成する「劇画家さいとう・たかを記念グッズ制作委員会」が「わしの尾」にコラボレーションを提案した。
コラボレーションする日本酒は、作品の世界観をイメージしてわしの尾側が提案。制作委員会が試飲などを行い、その中から3種類を選んだ。「ゴルゴ13の作風や主人公のデューク東郷のキャラクター、さいとう先生が描く劇画の世界をイメージして辛口、重厚感、切れ味があるものを選んだ」と「わしの尾」社長の工藤朋さん。「今人気なのは華やかで甘みがあり飲みやすい日本酒。それとは真逆な味わいだが、魅力ある日本酒にはたくさんの種類があることも伝えたかった」と話す。
今回販売するのは、「『ゴルゴ13』特別限定ボトル 熟成酒『岩鷲(がんじゅ)』」(1万4,300円)と、2種類の日本酒をセットにした「さいとう・たかを自画像ボトル&『ゴルゴ13』日本酒ボトル2本セット」(6,050円)。
熟成酒「岩鷲」は、2004(平成16)年に醸造したものを長期熟成させた、深みのある味わいが特徴。力強い味でゴルゴ13の世界観と、熟成酒で長く連載が続く作品であることを表現した。ラベルにはデューク東郷が鋭い視線を向けるイラストを採用している。
日本酒ボトル2本セットは、定番の銘柄として親しまれる「鷲(わし)の尾 金印」の原酒と、「鷲の尾 辛口純米酒」の組み合わせ。「金印」の原酒はアルコール分が20度あり、劇画の重厚な世界観をイメージ。ラベルにはさいとうさんの自画像を使用。辛口純米酒はすっきりしたうまみのある日本酒でデューク東郷の生き様をイメージし、ラベルは背中を向けるデューク東郷のイラストをデザインした。
10月7日に予約受け付けを始め、作品のファンからも好評を受けているという。同社の製品はほぼ岩手県内で流通していることから、今回のコラボにより広い地域へ製品を届けることに期待も寄せる。工藤さんは「劇画の世界と日本酒の相性はいい。造り手としても飲み手としても良いセレクトになっていると思う。イメージにぴったりで、デザインも中身も本物。ファンの皆さんにとってコレクターズアイテム的存在になれば。あとは良い状態のお酒を届けるだけ。期待して待っていて」と呼びかける。
予約申し込みは来年1月13日まで。「『ゴルゴ13』特別限定ボトル 熟成酒『岩鷲』」は300本限定。発送は来年3月以降を予定。