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盛岡などでポスタープロジェクト 知的障害のある作家のアート作品を街中に

盛岡市内に貼られたアートポスター。街に異彩が溶け込む(写真提供=ヘラルボニー)

盛岡市内に貼られたアートポスター。街に異彩が溶け込む(写真提供=ヘラルボニー)

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 知的障害のある作家らが描いたアートポスターを、盛岡をはじめ岩手県内の街中に貼り出すアートポスタープロジェクト「#岩手から異彩を」が現在、展開されている。取り組むのは、福祉実験カンパニーとして障害者アートの商品化などを手がける「ヘラルボニー」(盛岡市開運橋通)。

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 同社は、国内外の主に知的障害のある作家や福祉施設と契約を結び、アート作品の管理や作品をファッションやインテリアなどの製品に落とし込むブランドを運営するほか、建設現場の仮囲いに作品を掲出するプロジェクト、企業とのコラボレーションなどの事業を展開している。「異彩を、 放て。」をミッションに掲げ、「障害」が持つイメージの変容と福祉領域の拡張、福祉を起点とした新たな文化の創造を目指している。

 設立から5年を迎えた同社は、「始まりの地」として捉える岩手に改めてヘラルボニーの思いを発信しようと、同プロジェクトを立ち上げた。同社が契約する8人の作家による作品をアートポスターにし、人目に付く場所へ掲出するもの。同社広報担当の矢野智美さんは「商品を買う人は限られているが、街に掲示されるポスターは多くの人の生活に寄り添い、盛岡の日常に溶け込める。そうした思いも込めて始まった企画」と話す。

 プロジェクト開始に先立ち、岩手県内でポスターを掲示できる協力者を募集した。これに対して県内150以上の施設・団体・個人から応募があり、1カ月ほどで募集を締め切った。予想を上回る反響だったという。

 9月16日からは、協力への感謝を込めて「ほんの気持ちです。SNSキャンペーン」を開始。街なかや施設、店舗などで見かけたアートポスターを撮影し、「#岩手から異彩を」「#ヘラルボニー」の2つ加え、撮影した店舗・施設等の名前のハッシュタグを添えてSNSに投稿。投稿をパルクアベニュー・カワトク1階の「HERALBONY」店舗で提示すると、ステッカーを贈呈するほか、お返しの福引に参加できる。

 矢野さんは「いつも見ている風景の中に、障害がある作家の作品が溶け込むことで、コミュニケーションが生まれたり、地域の魅力を再発見したりするきっかけになれば。ヘラルボニーとしてはもっと岩手に寄り添い、この場所から挑戦を続けていきたい」と話す。

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