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浅沼醤油店の直営店「クラビヨリ」がリニューアル アイデアを提案する場所に

県産木材を使った店内。奥は盛岡町家ならではの「常居」を生かした作りになっている

県産木材を使った店内。奥は盛岡町家ならではの「常居」を生かした作りになっている

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 しょうゆやみそ、醸造調味料などを製造する「浅沼醤油(しょうゆ)店」の直営店「クラビヨリ」(中ノ橋通1、TEL 019-696-2029)が、9月13日にリニューアルオープンした。

縁側に新たに設置したベンチとくつろぎのスペース

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 浅沼醤油店は1914(大正3)年創業。直営店は2009(平成21)年に開業した。現在は市内黒川に工場を構えるが、直営店がある場所の裏手にかつては工場があったという。しょうゆを製造販売するだけではなく、しょうゆなどを使った調味料も扱うようになると仕事が大きく変化。現在は岩手県内の生産者や同業者とコラボレーションした商品や革新的なアイデアを取り入れた商品の開発に積極的に取り組み、直営店も独自の商品を発表する場所へと変わっていったという。

 リニューアルを決めた背景には、新型コロナ禍による利用客の減少やスタッフの入れ替わりがあったという。社長の浅沼宏一さんは「これまでも時代に合わせて仕事は変化してきた。直営店も新しくなる時だと、このタイミングをリニューアルするにはちょうどいい時期だと捉えた」と振り返る。

 改装工事は今年4月に開始。以前は事務室として使っていたエリアを店舗部分へと拡大し、イートインスペースを広く取った。築200年の盛岡町家の構造を生かし、「常居(じょい)」と呼ばれる吹き抜けの空間や階段たんすを見える形で残した。リニューアルのコンセプトの一つは「木」店内の什器(じゅうき)やカウンターには県産材を使用しているほか、縁側部分には新たに木を使ったベンチを設置し、くつろげるオープンデッキ風に仕上げた。

 店内で取り扱う商品はリニューアル前の店舗と同様に、しょうゆやみそ、酢、ドレッシングなどの調味料。リニューアルに合わせた新商品として、県産木材を使った「木の雫(しずく)シリーズ」も発売。アカマツのジンジャーシロップやヤマザクラのミルクジャム、イタヤカエデのプリンなどが並ぶ。リニューアル前から人気の「エゴマ醤油ソフト」も販売している。

 「盛岡町家にも地元の木材が使われていたので、新しい店でも何かに生かしたいと考えていた。クラビヨリは技術開発力をPRする場にもしたい。新商品も浅沼醤油店らしいチャレンジングな印象があると思う。楽しんで試してもらいたい」と浅沼さん。広くなったスペースや「常居」の部分をワークショップや地域イベントに活用する考えもあるという。「街の中にしょうゆ屋があるということが、商店街だけではなく地域全体、そして盛岡全体の魅力を高めることにつながれば。発酵という強みを生かして、地域の良さを醸し出していきたい」と意気込む。

 営業時間は10時15分~17時30分。

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