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岩手県立美術館で高畑勲展 日本のアニメの礎を築いた軌跡を追って

「太陽の王子 ホルスの大冒険」 ヒルダ(色紙) ©東映

「太陽の王子 ホルスの大冒険」 ヒルダ(色紙) ©東映

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 岩手県立美術館(盛岡市本宮)で9月30日から、企画展「高畑勲展 日本のアニメーションに遺(のこ)したもの」が開催される。

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 アニメーション映画監督・高畑勲さん(1935年~2018年)は、1960年代から半世紀にわたって、日本のアニメーションをけん引し続けてきた。初の長編監督作品となった「太陽の王子 ホルスの冒険」(1968年)の後、70年代には「アルプスの少女ハイジ」「赤毛のアン」といったテレビ名作シリーズを手がけ、80年代以降は「じゃりン子チエ」「火垂(ほた)るの墓」「平成狸(たぬき)合戦ぽんぽこ」など、日本の風土や庶民生活のリアリティーを表現。遺作となった「かぐや姫の物語」(2013年)では、デジタル技術を駆使した手書きの線を生かした水彩画風の描法に挑戦し、従来の様式とは一線を画した表現を達成した。

 同展では、絵を描かない高畑さんの「演出」というポイントに注目し、多数の未公開資料を紹介しながら、戦後の日本のアニメーションの礎を築き、新しい表現方法を追求した革新者でもある高畑さんの軌跡と多面的な作品世界の秘密に迫る。

 期間中は関連イベントとして、講演会や映画の上映会を予定。展示室では30分程度のギャラリートークを毎月第1・第3金曜に行う。講演会はウェブサイトから事前の申し込みが必要。

 同展担当者の加藤俊明さんは「アニメの紹介映像や、アルプスの少女ハイジのジオラマなども展示されていて、多くの人に楽しんでもらえる展覧会となっている」と話す。

 開館時間は9時30分~18時(入館は17時30分まで)。月曜休館(祝日の場合は翌日)。観覧料は一般=前売り1,300円、当日1,600円、高校生・学生=同800円、同1,000円、小学生・中学生=同500円、同600円。前売り券は9月29日まで、同館のほか、カワトク・アネックスカワトク・フェザンなど指定プレイガイドで販売。12月17日まで。

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