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盛岡市子ども科学館で「光」がテーマの特別展 人工の光で植物栽培にも挑戦

偏光板と肉眼で見え方が変わる不思議な絵

偏光板と肉眼で見え方が変わる不思議な絵

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 盛岡市子ども科学館(盛岡市本宮)で現在、特別展2023「ひかりの世界」が開催されている。

人工の光だけで育てている「小さな植物工場」の様子

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 夏休みの時期に合わせ、毎年テーマを設けた特別展を行っている同館。今年は同館が掲げる年間テーマと同じく「ひかり」に設定し、展示の体験を通じて光の科学や技術への興味関心につなげる。

 展示を担当する学芸員の草本真実さんは「私たちにとって光は身近すぎる存在。生活の中にあるのが当たり前だから、光の正体って何なんだろう、光って何色なんだろう、光って何に使われているんだろうと考える機会が少ない。展示をきっかけに光の不思議さに気付いてもらいたい」と話す。

 展示物は大きく分けて、光の原理が分かるもの、光が利用されている技術に関するもの、光の面白さを体験できるものの3ジャンル。光の原理や特性を学べる実験や光を使った技術のほか、光の仕組みについて詳しく解説するパネルなどが並ぶ。

 「身近な光の一つは太陽。その中でも不思議な現象は夕焼けだと思う」と草本さん。夕焼けは太陽光の中でも遠くまで届く色の赤やオレンジが見えているのだという。夕焼けについての展示では、空気中を再現した水槽に白い光を当てる実験を用意。光から近い場所は水槽の水が白色に見え、遠い場所では黄色っぽく見える仕組みが体験できる。

 光が使われている技術の展示物として来場者から好評なのが、人工の光だけで植物を育てる「小さな植物工場」。植物の成長に必要な色のライトを使い、太陽光には当てず、小さな箱の中でサニーレタスを育てている。7月10日にスポンジの上に種をまき、水と肥料を定期的に足しながら栽培を続け、順調に大きくなってきているという。来場者からは「本当に育つんだ」「自分もやってみたい」といった声が寄せられている。成長の様子は同館のウェブサイトでも紹介している。

 このほか、光の色を分ける偏光板を使うと見え方が変わる絵や、3D眼鏡の仕組みを紹介する展示、光で絵を描く体験などを用意。今年は展示室の出入り口付近に「みんなの発見コーナー」を設け、来場者の感想や展示から得た発見を掲示している。

 草本さんは「見て、触れる展示が一番実感しやすいと思う。子どもたちだけではなく、大人の皆さんも楽しんで、体験してもらえる展示なので、家族そろって『ひかりの世界』に飛び込んで、不思議を感じてもらいたい」と呼びかける。

 開館時間は9時~16時30分(入館は16時10分まで)。特別展への入場料金は300円。8月20日まで。

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