さわや書店フェザン店(盛岡市盛岡駅前通)が現在、冷やした本を販売している。
ボックスの中でひんやりと程よく冷えた本。夏を感じさせるものが選ばれている
同店が本を冷やし始めたのは7月25日。連日、気温が30度を超える日が続いていた。本を冷やすアイデアを考案したのは店長の竹内敦さん。「以前から冗談で本を冷やして売ってみたいというアイデアはあった。冷やすものではない本が冷たかったら面白いかなと。暑い日が続いていたので、始めるなら今だなと思った」と話す。
店内に冷蔵庫を置き、そこから本を取り出すイメージをしていたが、冷蔵庫の設置には場所と費用が必要なため方法を検討。発泡スチロール製のクーラーボックスの底に保冷剤を敷き、湿気から守るために本をジッパーバックに入れて冷やしている。クーラーボックスのふたには「冷えた本あります」「袋ごと買えます。せっかくだから冷えた本を」というPOPを掲示した。クーラーボックスの中の本は、触れるとひんやり感じるくらいに程よく冷えている。
冷やしている本は竹内さんが選書。表紙だけ見ても涼しくなるような本や、ビールに関する本、ホラー作品など夏を感じさせるようなものを選び、定期的に追加している。子どもたちがクーラーボックスを見ていることもあるといい、「子ども向けの本も入れてみようかな」と竹内さん。
本を冷やすクーラーボックスは通路に面した店先に設置。通行人が立ち止まったり、「本が冷えてるって」と話したり、ふたを開けて中を見たりする姿が見られるほか、記念写真を撮っている人もいるという。これまでもユニークな本の売り方に挑戦してきた同店だが、反響が大きいのは久しぶりだという。
竹内さんは「一番暑い時期に展開することができてよかった。本当に冷えていると驚いてもらえると、始めた側としてはうれしい。どうせなら店ごとキンキンに冷やすとか、冷たい釣り銭を渡すというのも面白かったかも」と笑う。
冷やした本の販売は暑さが続くうち、現段階では8月いっぱいまでを予定している。