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岩手県立博物館で「ダム」のテーマ展 ダムの仕組みや歴史を分かりやすく

たくさんの模型や写真が並ぶ展示室。県立博物館でも珍しい展示スタイルだという

たくさんの模型や写真が並ぶ展示室。県立博物館でも珍しい展示スタイルだという

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 北上川上流にある田瀬ダム・湯田ダム・四十四田ダム・御所ダム・胆沢ダムの役割や歴史などについて取り上げるテーマ展「北上川上流五大ダム探検大作戦」が現在、岩手県立博物館(盛岡市上田)で開かれている。

目玉資料の「五大ダム3D模型」

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 同館と国土交通省東北地方整備局北上川ダム統合管理事務所などが共催で行う同展。ため池などを含めたダム施設は県内に約50カ所あるが、その役割や仕組みについては知られていない面も多いことから、ダムについて多くの人に知ってもらおうと企画したという。同館が四十四田ダムから近い場所にあることもきっかけとなった。

 今回は、田瀬ダム・湯田ダム・四十四田ダム・御所ダム・胆沢ダムの「北上川上流五大ダム」を中心に、それぞれのダムの歴史やどのような働きをしているのかを紹介するとともに、ダムに関連する遺跡や自然、働く人などダムについて多方面にわたって紹介。展示資料は同館に収蔵されているもののほか、各ダムに併設されている学習施設「ダムものしり館」に所蔵されているものなど集約し、267点を展示する。

 展示を担当する学芸員の一人、近藤良子さんは「私も展示に関わるまではダムについては知らないことばかりだった」と苦笑い。「ダムで働く皆さんの話を聞き、調べていくたびに、暮らしを守るダムの大切さについて実感して、興味が湧いてきた。身近な場所にある超巨大建築物としてもダムは魅力的な存在だと思う」と話す。

 展示の最初は五大ダムが作られた経緯を紹介し、目玉資料の「五大ダム3D模型」でダムの種類や構造の違いを解説。その後、五大ダムについて一つのポイントに着目しながら紹介する。展示の後半は、ダム建設と遺跡調査、北上川と人の歴史、ダム周辺に生息する生き物といった博物館ならでは題材を取り上げる。ダム建設の苦難についても触れ、ダムに沈んだ集落の写真なども展示している。このほか、ダムの治水効果や、観光や地域資源として暮らしに利用されるダムの存在、ダム管理の仕事についても紹介する。

 子どもたちにも展示を楽しんでもらおうと、解説パネルの文章は小学校低学年でも分かりやすい内容に仕上げ、館内にはダム工事を題材にした巨大すごろくや、ダム周辺に住む魚を題材にした魚釣りゲームを用意。期間中は館内の「喫茶ひだまり」で特別コラボメニューの「県博ダムカレー」(680円)を1日10食限定で販売するほか、オリジナルダムカードを数量限定で配布する。

 近藤さんは「若い世代の皆さんに分かりやすくダムについて知ってほしいという、たくさんの人の思いを込めた展示。ダムの魅力は実際に見てみないと分からないことも多いので、展示をきっかけにダムを訪れてもらいたい。県博が皆さんの『五大ダム探検』のスタート地点になれば」と話す。

 開館時間は9時30分~16時30分(最終入館は16時)。入館料は一般=330円、学生=150円、高校生以下無料。月曜休館(休日の場合は翌平日、7月25日~8月20日は休まず開館)。8月20日まで。

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