学ぶ・知る

盛岡で「ルンビニーアート展」 力強い作品、「五感で楽しんで」

展覧会の様子。会場にはペンを走らせる音や機織り機を動かす音も響く

展覧会の様子。会場にはペンを走らせる音や機織り機を動かす音も響く

  • 85

  •  

 知的な障がいなどがある作家らによるアート作品を展示する「ルンビニーアート展」が6月17日、岩手銀行赤レンガ館(盛岡市中ノ橋通1)で始まった。

[広告]

 同展は、花巻市で障がい者支援事業に取り組む社会福祉法人「光林会」の創設55周年と、同法人が運営する「るんびにい美術館」の開館15周年を記念して開催。同館では、知的な障がいなどがある作家の創作活動の支援や作品展示を行っている。以前は盛岡でも展覧会を開いてきたが、同館の開館後は花巻市内での開催が中心になっていったという。

 光林会理事長の三井(みい)信義さんは「るんびにい美術館の来館者から、盛岡で展覧会を開催してほしいという声も多く寄せられていた。岩手銀行赤レンガ館の雰囲気が良く、ここでいつか作品を展示する機会がつくりたいとも考えていた。岩手の中心でもある盛岡で、幅広く作品を見てもらいたい」と話す。

 会場では16人の作家が手掛ける絵画や陶芸作品、織物など100点以上を展示。壁面が使えないため絵画作品の展示にはイーゼルを使うほか、バルコニーから織物作品をつり下げるなど会場の空間を生かした方法で作品を並べる。来場者に制作の様子や作家について知ってもらおうと、制作風景を撮影した映像も用意。床に設置したディスプレーには手元、天井には作者の表情の映像をそれぞれ投影し、ペンで書き込む音や機織り機を動かす音が会場に響く。

 同展のテーマの一つとして「共生社会」を掲げ、作品以外に企業とのコラボレーション事例を紹介。関連イベントとして、7月2日にアートと音楽とダンスがコラボしたライブも行われる。るんびにい美術館ではアートを通じて、障がい者と健常者、大人と子どもなど、「境界」を無くすことを目指していることから、今回の展示を通じて「障がいの有無に関わらず地域の中でみんなが支え合っていくこと、互いに関わり合って理解を深める体験」につなげたいという。

 「展示されている作品は素朴だが、力強さがある」と三井さん。「赤レンガ館という環境だからこそ、見いだせる魅力があると思う。作品を見る視覚だけではなく、音や匂いなど、五感を使って、会場の空間と一緒に楽しんでもらいたい」と呼びかける。

 公開時間は10時~16時30分。火曜休館。観覧無料。7月2日まで。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース