駄菓子などを製造する「村上製菓」(紫波町)が4月15日、同社が製造する8商品を詰め合わせた「いちもん菓子」を発売した。
同商品は、吉本興業のグループ企業で地方創生などに取り組む「よしもとエリアアクション」と共同で開発したもの。村上製菓の村上秀紀さんがよしもとエリアアクションの関係者が講師を務めるセミナーに参加にしたことをきっかけに交流が生まれたという。村上製菓が2024年に創業100年を迎えることに合わせた商品を考える中、「駄菓子で日常を豊かにする、家族のような存在でありたい」という同社の思いに、よしもとエリアアクション側が賛同し、共同開発に至った。
落語家やお笑い芸人が所属する「よしもと」との共同開発ということから、商品にはさまざまな「しゃれ」がかかっている。駄菓子を入れる箱は2段の引き出し型で、1段に4種類の菓子が入る。「4種類ずつ、全8種類の菓子」とし、数字の4と8の語呂合わせで「しわ」を表した。
詰め合わせる駄菓子は村上製菓が製造する卯玉(うさぎだま)、興米(おこしごめ)、豆銀糖、豆丹切(まめたんきり)、若草、味噌(みそ)ぱん、胡麻(ごま)丹切、青丹切。卯玉は今年の干支(えと)にちなみ、興米には「町おこし」にもつなげている。
商品名の「いちもん菓子」には、駄菓子が一文で買えることから「一文菓子」と呼ばれていたことに加え、家族や同じ指導者の下に集う人のことを表す「一門」、紫波町出身の野村胡堂の小説「銭形平次捕物控」で銭形平次が投げる一文銭などをモチーフにしている。
駄菓子を入れる引き出し部分の内箱の色は紫波にちなんで、48種類もあるといわれる藍色の一種の「濃藍(こいあい)」と「藤納戸」を選んだ。外箱には紫波の田畑と住宅地をイメージし、四角形を並べた地図風の模様を付けて、都市部と農村部の融和を表している。
現在は既存の商品を詰め合わせているが、今後は新しい菓子や町内で製造されている商品を取り入れることも視野に入れている。村上さんは「まずは昔ながらのものを知って、その味に触れてもらいたい。その次に新しい味や、コンセプトに合う商品を一門に加えて末永く続けていければ。いちもん菓子が家族団らんに彩りを添えて、楽しくおいしい時間を過ごしてもらえたらうれしい」と話す。
価格は1,944円。販売場所は紫波町内を中心とし、県外からはよしもとの関連施設やふるさと納税から購入できる。