トーサイクラシックホール岩手(岩手県民会館、盛岡市内丸)で4月7日、「鈴木敏夫とジブリ展 岩手展」が開幕した。
スタジオジブリの鈴木敏夫社長が「読んできた本」と「その時代背景」に注目する同展。6章構成の展示で、鈴木さんの幼少期から現在まで、編集者や映画プロデューサーとしての足跡などをたどる。第1章では少年時代を過ごした四畳半の部屋の再現した展示や、当時夢中になっていた漫画誌、小説、映画に関連した資料などが並ぶ。大学生活に焦点を当てた第2章は、直筆の手帳や自作詩ノート、鈴木さんが制作した同人誌などを展示している。
第3章では雑誌記者・編集者時代を取り上げ、鈴木さんが創刊に関わった雑誌「アニメージュ」や、同誌で連載していた「風の谷のナウシカ」の誕生について触れる。第4章はスタジオジブリの立ち上げから映画プロデューサーとしての仕事を紹介。社名案やスタジオ設立当時の写真、映画のポスターやコピー案、タイトルロゴの原案、絵コンテ、鈴木さんが関係者へ宛てた手書きのメッセージなどを展示する。第5章では書家・作家としての鈴木さんの仕事を取り上げ、岩手展の開催を記念して鈴木さんが書いた「雨ニモマケズ」の書も展示する。
第6章は同展の見どころの一つ、鈴木さんがこれまで読んできた書籍などを展示する「鈴木敏夫の本棚」。鈴木さんの隠れ家「れんが屋」をモチーフに8800冊の本が並び、映画「千と千尋の神隠し」に登場するキャラクター・カオナシが読書をする姿も見られる。このほか、展示室内には湯婆婆(ゆばーば)や、「となりのトトロ」のトトロたちなど、スタジオジブリ作品のキャラクターが来場者を迎える。
4月6日に行われた開幕セレモニーには鈴木さんも参加。鈴木さんは「東北がもともと好きで、学生時代から何度も花巻に足を運んでいる。それが今まで続いてこの地で展示をすることになったのかなとも思っている。自分の名前がタイトルに入っていると、少しどきっとするし、自分一人で前に出ているようで少し恥ずかしい」と笑い、「これまでさまざまなジブリの展示を行ってきたが、新しい切り口のものとなっていると思う。ジブリ作品の最大の特徴は間口が広く、年齢や性別を問わないこと。今回の展示も、来場した皆さんそれぞれに楽しんでもらえる部分が必ずあるはず」と話した。
開催時間は9時30分~20時(最終入場は19時30分、土曜・日曜・祝日は9時から)。入場には日時指定チケットが必要。料金は、一般=1,600円、中・高校生=1,300円、4歳~小学生=900円。ローソンチケットで取り扱うほか、期間中、チケット残数がある場合は当日会場で販売予定。状況はツイッターで常時更新する。5月24日まで。会期中、4月17日、5月15日・16日は休館。