盛岡市は3月29日、市内を巡るサイクリングマップの観光ルート編を公開した。
市では、自転車の活用を推進するため、「自転車が誰でも安全で快適に利用できる交通手段としてくらしに定着すること」を目指し、2021年度に「自転車活用推進計画」を策定。同計画の基本方針の一つに「サイクルツーリズム等の推進」があり、自転車を使って市内の観光資源などを巡るサイクルルートを設定するアイデアが出ていたという。これまで市が設定しているサイクルルートはなかったが、同計画では2025年度までに3ルートを設定することを目標としている。
今回公開したサイクリングマップは1つ目のサイクルルートで、市としては初の試み。盛岡市中心市街地の観光名所や商業施設などを巡るルートを設定し、盛岡駅付近から中ノ橋付近まで約4キロの「くるっとコース」と、盛岡八幡宮まで約8キロの「ぐるっとコース」の2種類を作成した。
両コースとも盛岡駅前自転車駐車場がスタートとゴールとなる。「くるっとコース」は開運橋を渡り、大通商店街、桜山神社前を通って中ノ橋方面へ向かい、中津川沿いの道を進み、上ノ橋、旭橋を渡ってゴールへと戻る。「ぐるっとコース」は中ノ橋までは「くるっとコース」と同じ順路で、岩手銀行赤レンガ館前の交差点を渡り、南昌荘前を通って鉈屋町・八幡町方面へ向かう。その後は盛岡バスセンター方面へ戻り、上ノ橋を渡って再び「くるっとコース」と同じ順路でゴールに戻る。
自転車だからこそ巡りやすいルートを選び、特に「ぐるっとコース」は路線バスが通らず、駅やバスセンターからは徒歩でも距離がある鉈屋町・八幡町方面を組み込んだ。コースを記載した地図だけではなく、写真付きの道順解説も用意。主要な観光名所や商業施設、飲食店のほか、自転車の貸し出しをしている場所や自転車取扱店の位置を掲載するほか、それぞれのルートの見どころも紹介し、「くるっとコース」は開運橋から見た風景、「ぐるっとコース」は盛岡八幡宮から見た八幡通りを挙げている。
今後もサイクルルートは増やしていく予定。コアな観光スポットや自転車で走りやすいルートなどを検討していくという。市交通政策課の担当者は「市内の中心的な場所を回るルートなので、新年度で初めて盛岡に来た人、コロナ禍の中で盛岡の街をあまり見て回っていなかった人、そして改めて地域を巡ってみたい市民の皆さんにも活用してもらいたい。食や風景を楽しみながら、走ってみて」と呼びかける。
サイクルルートは市のウェブサイトで紹介。サイクリングマップもウェブサイトからダウンロードできる。