盛岡地方気象台は4月3日、ソメイヨシノの開花を観測した。
桜の開花は、同気象台構内にある標本木を対象に5、6輪以上の花が咲いた状態を指す。今年の開花は平年より15日、昨年より11日早く、これまで一番早い2015(平成27)年と2021年の4月9日の記録を6日上回り、1953(昭和28)年の統計開始以降、最も早い開花となった。
今年は全国各地で例年にない早さで桜の開花が進んだ。気象情報会社「ウェザーニューズ」が3月29日に発表した桜の開花予想では、盛岡は4月5日と見込まれ、予想の時点で観測史上最速となっていた。同気象台は、3月の平均気温が平年より高かったことなどが影響し、開花が早まったとみている。
市内では開花宣言を待たずに咲き始めた桜もあり、3月下旬には「早咲き」で知られる栃内病院敷地内の桜が咲き始め、31日には国指定天然記念物の「石割桜」が開花。盛岡市によると、石割桜の開花の発表は記録が残る2014(平成26)年以降、最も早いという。
ソメイヨシノを中心に約250本の桜の木がある「盛岡城跡公園」でも、日当たりの良い場所を中心に花が開き始めている。同公園と「日本さくら名所100選」に選ばれている「高松公園」では、4月7日から5月7日まで「盛岡さくらまつり」を開催。期間中、公園内にぼんぼりやライトアップ用の投光器を設置し、桜の見頃に合わせて点灯するほか、今年は来場者へ公園内での宴会・会食など自粛を要請しない。
「史上最速の開花」の記録更新に、市民からは驚きの声が上がる。盛岡城跡公園内を散歩していた女性は「暑いと感じるくらい急に気温が上がったが、開花宣言は来週くらいかなと予想していたのでびっくり。梅も桜も一斉に花開いてお祭り騒ぎのよう。今年は桜を見ながら食べ歩きをしたい」と話す。
ぼんぼりとライトアップの点灯時間は、盛岡城跡公園=18時~21時30分、高松公園=18時~21時。高松公園の周回道路では15日・16日・22日・23日・29日・30日の10時~16時に交通規制を実施。高松公園周辺の交通規制と駐車場の指定については市のウェブサイトに掲載する。