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もりおか歴史文化館で「南部鉄器展」 鉄器の魅力・技術力・面白さ伝える

67点の南部鉄器がずらりと並ぶ展示室。来館者からは「すごい」の声も

67点の南部鉄器がずらりと並ぶ展示室。来館者からは「すごい」の声も

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 もりおか歴史文化館(盛岡市内丸)で現在、特別展「南部鉄器展2022」が開催されている。

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 同展は南部鉄器協同組合との共催。同館は組合青年部所属の職人による「南部鉄器青年展」の会場となっていたほか、2020年には組合と協力して「新作南部鉄器展」を開いていた。今年は3年ぶりの特別展として、2022年度までに作られた新作南部鉄器を中心に展示する。

 担当者の小西治子さんは「もりおか歴史文化館では、盛岡南部藩に関する資料を扱っているが、南部鉄器の職人に関連するものも多い。南部藩の時代から現代に続く工芸品の一つとして、皆さんに紹介したいという思いで南部鉄器に関する展示も続けていきたい」と話す。

 展示室には24人の職人による67点の鉄器が並ぶ。鉄の風合いや装飾などを間近で見てもらおうと、ガラスケースを使わない形で展示。写真パネルを使って製造方法なども紹介しているが、鉄瓶を魅力的に見せるために枚数を減らし、展示室内はシンプルに仕上げた。前回の展示は46点だったため、今回は20点近く点数が増えた。展示室いっぱいに並ぶ鉄器に展示を見た来館者が「すごい」「見応えがある」と声を上げる様子も見られる。

 参加する職人はベテランから若手まで幅広く、出品作品も伝統的な形や現代的なもの、使いやすさや実用性を重視したもの、自分の技術を試すようなものまでが並ぶ。「職人と来場者をつなぎたい」という思いから、初の試みとして一部の作品は購入可能とした。展示作品の一覧には販売の可否と職人の所属事業所、事業所の連絡先を掲載し、購入希望者は事業所へ直接連絡を取る。

 館内では関連企画として、テーマ展「盛岡藩の職人 -釜師・鋳物師-」を開催。盛岡藩の鋳物師を中心に、現在の南部鉄器の源流となる職人たちに関連する資料を展示する。

 小西さんは「伝統工芸品というと、堅苦しさを感じてしまう人もいるかもしれない。今回の展示では、伝統的な形をアレンジしたものや現代の暮らしに合ったデザイン、職人それぞれが持つ『かっこよさ』を追求した作品もある。それぞれの鉄器をじっくり眺めて、魅力、技術力、面白さを感じて」と呼びかける。

 開館時間は9時~18時(入場受け付けは閉館30分前まで)。特別展は入場無料。今月26日まで。

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