もりおか町家物語館(盛岡市鉈屋町)が現在、岩手ゆかりの近代詩を題材にした書道作品展「岩手ゆかりの近代詩文書作品展」の作品を募集している。
同館で書道の公募展を開くのは今回が初。きっかけとなったのは、同館の大正蔵2階「時空の展示室」で定期的に行っている盛岡市所蔵の美術品の展示だった。市所蔵作品の中には、石川啄木や宮沢賢治を題材にした書道作品があるという。担当者の村岡初江さんは「市所蔵の作品を展示するのと一緒に、作品を募って展示するのも面白いのではないかというアイデアが浮かんだ」と話す。
今回は岩手ゆかりの近代詩文を題材に作品を募集。応募資格は岩手県在住の18歳以上。作品本紙の寸法は色紙(24.2センチ×27.2センチ)~半切(35センチ×135センチ)以内。作品は額装で提出する。
出品には事前に申込書の提出が必要。存命の作家や没後70年未満の作家の作品など著作権が保護されているものを題材として引用する場合、著作権者へ許可を得た上で著作物利用許諾確認書も事前に提出する。申込書などの提出後、作者自身が直接持参するか委託業者に依頼して搬入する。
近代詩文をテーマにした理由には、「身近に感じやすいから」という考えもある。「近代詩は書道の題材としては少ないように感じていた」と村岡さん。「普段書道に関わらない人でも、作品にどんなことが書いてあるのかが分かりやすくて、親しみを感じられる展示会にしたいと思った」とも。
市が所蔵する松本筑峯(ちくほう)、宮部北流、村井孤月(こげつ)の書道作品4点と公募作品のほか、県内で活躍する書道家による招待作品数点を展示する予定。
村岡さんは「岩手は文学が盛んで、詩や短歌、俳句など題材となる作品も多い。私たちにとっても初めての開催でドキドキしているが、まずは気負わず、気軽に、楽しんで出展してもらいたい」と呼びかける。
出展無料。事前の申込書と著作物利用許諾確認書の提出は1月20日必着。作品の搬入は1月30日~2月5日。展示期間は2月10日~3月12日。募集要項や申込書などはもりおか町家物語館などで配布するほか、同館のウェブサイトからダウンロードできる。