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岩手県立図書館でリンゴがテーマの企画展 岩手とリンゴの歴史も紹介

リンゴの品種について取り上げるコーナー。さまざまな図鑑が並ぶのは図書館ならでは

リンゴの品種について取り上げるコーナー。さまざまな図鑑が並ぶのは図書館ならでは

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 岩手県立図書館(盛岡市盛岡駅西通1)で現在、企画展「りんごものがたり」が開催されている。

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 同館で行う企画展は岩手の歴史や文学、先人などのテーマが多く、農業や産業を取り上げる機会が少ないという。そこで「もっと郷土の農業や産業、食べ物にクローズアップしてみよう」という思いで同展を企画。岩手でも生産量が多く、県民にとっても身近なリンゴをテーマに選んだ。

 展示は3章構成で、それぞれ「ひととりんご」「にほんのりんご」「いわてとりんご」という題で、人とリンゴの結び付きや日本のリンゴ栽培の歴史、岩手とリンゴ産業について、167点の資料で紹介していく。「展示の準備を通じて、リンゴについて知ることが山ほどあった」と担当の小林亜衣さん。「リンゴは身近なものだからこそ、歴史をあまり考えたことがないという人が多いと思う。私もその一人。皆さんも一緒にリンゴの歴史や岩手とリンゴの関係について知ってもらいたい」と呼びかける。

 第1章の「ひととりんご」では、リンゴが登場する物語などを紹介。毒リンゴが登場する「白雪姫」や、頭に乗せたリンゴを矢で射抜く「ウィリアム・テル」の物語、リンゴが落ちる様子を見て万有引力を発見した物理学者・ニュートンの逸話のほか、岩手出身作家のリンゴが登場する作品を並べる。

 第2章「にほんのりんご」、第3章「いわてとりんご」では、日本や岩手でのリンゴ栽培の歴史や品種、県産リンゴの現在、岩手にもゆかりがある農学者・島善鄰(よしちか)を取り上げる。島善鄰は日本のリンゴ栽培に貢献した人物としても知られ、スプレーカレンダー(薬剤散布暦)を作成するなど病害虫の防除や栽培改善に力を注いだという。2章・3章では、図鑑や農業関連の専門資料、広報紙などを中心に展示。岩手生まれのリンゴの品種や新品種の作り方も紹介する。

 展示資料のうち、89点は展示期間中も館外貸し出しが可能なガラスケース外資料で、岩手のリンゴに関する資料やリンゴにまつわる物語などをそろえる。子どもたちにも楽しんでもらおうと絵本を多めに用意したという。

 小林さんは「リンゴは昔からいろいろな書物に登場していて、それだけ人との関わりが強い果物だと分かる。岩手のリンゴに関する資料が多いのも名産地だからこそだと感じている。これからも岩手でのリンゴ栽培が長く続くように願っている」と話す。

 開館時間は9時~20時。期間中の休館日は8月31日、9月30日。10月10日まで。

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