「IGRいわて銀河鉄道」(盛岡市青山2)が7月16日から、青森県の「青い森鉄道」との開業20周年共同企画として、青森~盛岡間を直通運転する「快速 青森・盛岡ライナー」を運行する。
両社は今年12月1日に開業から20周年を迎える。20周年企画を共同で行うアイデアは青い森鉄道側からの提案。IGR側も喜んで受け入れ、互いに検討を重ねる中で生まれたのが、快速列車の運行と利便性の高い企画切符の販売だった。
「快速 青森・盛岡ライナー」は、通常八戸~盛岡間の直通運転区間を青森~八戸~盛岡間に拡大した快速列車。青い森鉄道車両による青森~盛岡間の直通運転は今回が初となり、企画の発表後からSNSなどを中心に大きな反響を集めた。
快速列車の運転日は、7月16日~18日、9月17日~19日、23日~25日。1日1往復で、上りは青森8時25分発・盛岡11時22分着、下りは盛岡17時55分発・青森20時44分着。10月も運行予定で、詳細は8月下旬ごろに発表予定。
全長200キロを超える列車旅を便利に楽しんでもらおうと、青森と盛岡をつなぐ片道タイプ(大人=3,500円、小児=1,750円)とフリーパスタイプ(大人=5,500円、小児=2,750円)の乗車券も販売。片道タイプは青森から盛岡、もしくは盛岡から青森までの快速を含めた普通列車を片道利用できる乗車券で、移動距離が長いことから、片道は利用者の予定に合わせて他の交通機関が選べるように設定した。フリーパスタイプの「もりもりフリーパス」は、青森~盛岡間の青い森鉄道・いわて銀河鉄道前線が2日間乗り降り自由となる。昨年も販売し、好評を得ている。
IGRいわて銀河鉄道の吉野夏葵さんは「岩手に住んでいると、快速列車に乗る機会は限られてくると思う。乗り換えをしないで青森まで行けるのは便利なので、乗ってみてもらいたい。盛岡と青森の移動にはたくさんの方法があるので、組み合わせて楽しんでもらえれば」と話す。
今回の企画切符は駅窓口のほかスマートフォンアプリ「RYDE PASS(ライドパス)」を活用したデジタルチケットも販売。利便性の向上と接触機会の低減を図るとともに、両社の駅には無人駅や営業時間が短い窓口も多いことから、利用者が購入しやすい方法として初めて導入した。
「これからの旅行シーズン、家で計画を立てながらアプリで切符も購入してもらいたい」と吉野さん。「12月に向けて、20周年記念グッズの販売などの企画も検討している。今年は鉄道関連の周年が重なっている年なので、一緒に盛り上げていきたい」とも意気込む。