モスバーガーを展開するモスフードサービス(東京都品川区)が4月27日から、モスバーガー創業50周年を記念した商品「なりもす・ダブルバーガー」(660円)を岩手県内の全12店舗で限定販売している。
モスバーガーの創業者・故櫻田慧さんは大船渡市出身。「モスバーガー大船渡店」には、櫻田さんが好きだったハナミズキを植え、店内には年表パネルも展示している。同店は東日本大震災の津波によって流された陸前高田店の思いを乗せ、2012(平成24)年に開店したメモリアル店舗でもあるという。
モスフードサービス社長の中村栄輔さんは「陸前高田店の赤い屋根が津波で流れていくのを映像で見たのを覚えている。仮設ではない店舗で復活させようと検討を進める中、陸前高田での早期再開は難しく、いち早く再開するためにも隣接する大船渡での開業となった」と話す。
「なりもす・ダブルバーガー」の販売は創業50周年に加えて、大船渡店が10周年を迎えることに合わせた特別企画。同商品は1990(平成2)年まで販売されていた創業当時のメニュー「モス・ダブルバーガー」を現代風にアレンジした商品で、2枚のパティにモスオリジナルのミートソースとオニオンをのせ、トマトとレタスと一緒にバンズで挟んだ食べ応えのあるハンバーガーに仕上げた。「なりもす」は第1号店の「成増(なります)店」にちなんだ名前で、今年3月に同店で限定発売し多くの反響を得ている。
岩手での販売に先立ち、26日に中村さんら関係者が達増拓也県知事を表敬訪問し、達増知事が限定商品の試食を行った。達増知事は「新鮮素材が使われていてボリュームがあり、もう一口、もう一口と食べたくなる」と感想を伝えた。「モスバーガーは地域の食材を使った限定メニューもあり、岩手の食材を使った商品もあった。そして大船渡店は特に復興と共に歩んでもらった。そういった点からも共に祝う気持ちが県民の中にもあると思う」とも。
中村さんは「創業者が生まれていなければ、モスバーガーも生まれていなかったかもしれない。そういった意味でも、岩手は大切な縁がある県。皆さんに食べてもらうのが楽しみ。創業者がどんなことを考えて作ったのかを想像しながら、創業者の気持ちで味わって」と呼びかける。
販売は5月1日まで。購入は1組3個まで。