岩手県立図書館(盛岡市盛岡駅西通1)が4月20日、創立100周年を迎えた。
本棚からひょっこり顔を出して豆知識を教える原敬。館内のあちこちに先人たちが登場している
同館は1922(大正11)年4月20日に内丸に開館。1967(昭和42)年に岩手公園(現・盛岡城跡公園)内に移転し、その後、施設の老朽化などのため移転し、2006(平成18)年に「いわて県民情報交流センター アイーナ」内に開館した。
今年4月から、100周年記念の企画が本格的に始まっている。館内には、スタッフが考案したキャッチフレーズを載せたバナーを掲示。メインのキャッチフレーズは「本と人を結んで100年」で、スタッフらから100以上のアイデアが集まったという。
館内全体を使った企画として「先人が語る岩手県立図書館の豆知識」を実施。開館の発端となった原敬などが歴史や館内のサービスを紹介する形式。豆知識の中にはスタッフしか知らない話や、昔の図書館に関するエピソードなどもあり、今後増やしていく予定だという。
担当者の似内望美さんは「図書館全体で祝いたいというスタッフの思いを企画に込めた。館内を散策しながら、普段は読まないジャンルの本棚にも目を向けるきっかけになれば。楽しんで準備したので、皆さんも一緒に楽しんでもらいたい」と話す。
100にまつわる展示や本の紹介コーナーも用意。児童コーナーでは「100年ってどのぐらい!?」と題して、時計や時間、暦をテーマにした読み物を紹介している。3階ミニ展示コーナーには、同館が建てられた1922(大正11)年に出版された本や新聞記事を関連資料と共に展示。現在は社会編で、今後は文化編や文学編も予定している。
このほか、100冊を目指すスタンプカードの配布、時計を見ずに100秒を測る児童向けイベントも実施している。100秒を測るイベントでは参加者の記録を足して「100年(31億5360万秒)」を計測することを目指している。
4月23日には記念式典が開かれるほか、同日から同館オリジナルの図書館バッグを100個限定で販売する。
似内さんは「本へアクセスする方法が変わっても、何かを調べるために本を開くことは変わらない。100という節目をきっかけに図書館に遊びに来て、新しい本と出合ってもらいたい」と呼びかける。
開館時間は9時~20時。毎月末日休館。