盛岡地方気象台は4月14日、ソメイヨシノの開花を宣言した。
桜の開花は、同気象台構内にある標本木を対象に5、6輪以上の花が咲いた状態を指す。今年は平年より4日早く、2015(平成27)年の記録と並んで「史上最速の桜」となった昨年より5日遅い開花となった。4月9日からは最高気温が20度を超える暖かい日が続き、開花が進んだとみられる。
市内の桜の名所では、開花宣言を前に桜が咲き始めた所も多い。国指定天然記念物の「石割桜」は12日に開花。昼間の気温が高く、13日には一気に花が開いた。ソメイヨシノを中心に約250本の桜の木がある「盛岡城跡公園」でも、日当たりの良い場所にある桜が咲き始め、園内では市民らが花を眺める姿が見られる。
「盛岡城跡公園」のほか、「日本さくら名所100選」に選ばれた「高松公園」では、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて2020年から中止していた「盛岡さくらまつり」を3年ぶりに開催。園内にぼんぼりを設置し、各会場の桜の見頃に合わせて点灯を行う。盛岡城跡公園では桜のライトアップも実施し、夜桜も楽しめる。
感染症拡大防止対策として、会場内での宴会・会食などの自粛に協力を呼びかけ、園内には注意を呼びかける看板も設置。ぼんぼりの点灯時間やライトアップの時間も以前より短縮した。
13日に盛岡城跡公園を訪れた男性は「今日あたりに開花宣言かなと思って足を運んだ。思ったよりも桜が咲いていて驚いた」と話し、「これまでとは違う形であれ、さくらまつりが再開したことはうれしい。春のにぎわいがようやく戻ってくる」と笑顔を見せた。
ぼんぼりの点灯・ライトアップは18時~20時。4月29日まで。