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消防団PRムービーコンテストで盛岡が最優秀賞 先進的な取り組みも評価

「未来へ羽ばたけ(Flapping to the future)」の一場面

「未来へ羽ばたけ(Flapping to the future)」の一場面

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 消防庁が主催する「消防団PRムービーコンテスト」の2021年度最優秀作品に、盛岡市消防対策室による「未来へ羽ばたけ(Flapping to the future)」が選ばれた。

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 消防団PRムービーコンテストは、消防団をより身近なものとして知ってもらおうと、各都道府県や市町村から作品を募集するもので、今回で4回目を迎える。盛岡市消防対策室は初めて応募し、最優秀賞を受賞する快挙となった。

 応募の背景には市内で活動する消防団員の減少がある。市の消防団員数は2021年4月1日時点で1088人。地域に必要な団員数として定められている定員は1499人で、団員不足が懸念されている。市の広報誌などを通じて消防団の活動や役割について周知を行っている一方、「消防署員との違いが分からない」「消防団員は体力が必要なので自分にはできない」といった声も少なくはない。

 市消防対策室の廣田幸夫さんは「消防団員は本業の傍ら地域のために火災や災害の現場に駆け付け、消火活動や救助活動を行う。少しでも消防団員の力になるとともに、活動を広く知ってもらうことで消防団への加入につながればという思いでムービーコンテストに参加した」と話す。受賞については「初めての応募で最高の賞というのには驚いたが、コロナ禍で暗くなりがちな今、明るい話題を提供できたことをうれしく思う」とも。

 作成した動画は、2020年度に発足した「航空支援隊」に焦点を当てる。同隊ではドローンを活用し、火災時の状況確認や災害時の救助者捜索など上空からの支援活動を担う。動画内ではドローンを操縦する若手団員を紹介。団員は動画中で「消防団は火を消すだけの体育会系だと思われがちだが、さまざまな活動があり、何かしら役立てることがある」と話している。

 視聴者を飽きさせないよう構成を工夫し、応募規定の5分よりあえて短い3分30秒以内を目指して制作。多角的なカメラワークとスピード感のある展開を意識して仕上げた。全国的にもドローンを使用する消防団活動は珍しいといい、先進的な取り組みをPRした点も評価を受けた。

 「動画の中で団員が話していたが、火を消すだけが消防団の活動ではなく、体力に自信がなくても団員としてできることがある」と廣田さん。「地域を守る消防団員の数は年々減っている。一人でも多くの人に興味を持ってもらい、力を貸してほしい」と呼びかける。

 市消防対策室の作品は動画配信サイト「ユーチューブ」の「消防庁動画チャンネル」で公開している。消防団員に関する問い合わせは同室(TEL 019-626-7404)まで。

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