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盛岡で11回目の「祈りの灯火」 追悼と復興を祈り、希望ある未来へ

波紋のように並べられた灯籠。その光に鎮魂と復興への祈りが込められている

波紋のように並べられた灯籠。その光に鎮魂と復興への祈りが込められている

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 東日本大震災11周年行事「祈りの灯火(ともしび)2022~心をつなぎ 命を守る~」が3月11日、もりおか歴史文化館前広場などで開かれた。

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 「祈りの灯火」は、2011(平成23)年3月11日に発生した東日本大震災により犠牲になった多くの人への鎮魂と被災者の心の平安、被災地の復興を祈り、被災地と被災者の未来が希望あるものとなるよう、参加者全員が復興について考え、支援行動を続けていくことを誓う行事。2012(平成24)年に始まり、毎年3月11日に開催している。

 昨年に続き新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため規模を縮小し、灯籠の点灯のみの実施となった。牛乳パックを材料にしたオリジナルの灯籠が今年も岩手県内外から届き、会場内には約1万個の灯籠が並べられた。灯籠の並べ方は、真っすぐな線からいろいろな人の思いが波紋のように広がるイメージとなっている。

 実行委員会委員長の吉田光晴さんは「会場に集まっている皆さんの感じていることや思っていることはそれぞれ違って、グラデーションのようになっている。灯籠に火を付けながらその思いを共有して、3月11日という日に集中する場にできたら」と話した。

 当日17時から行われた点灯式では、主催者の盛岡広域首長懇談会を代表し、谷藤裕明盛岡市長が「あの惨禍を目の当たりにし、言葉を失い、被災者の皆さんの心中を思い、復興に全力を尽くしていこうと誓ったことは、いくら年月を重ねても色あせることはない。これからもあの日を決して忘れることなく、力を一つにして復興を進めていく」とあいさつした。

 点灯式の中では被災者代表として、釜石出身で現在は盛岡大学に通う佐々木桜子さんがメッセージを読み上げた。発災当時、佐々木さんは小学3年生だった。「大好きな釜石の街並みが変わり果てた姿を見た時に衝撃で言葉が出なかったのを覚えている。その中で全国から寄せられたメッセージや支援に励まされ、また立ち上がることができた。被災地は復興が進んでいるが、まだまだ道半ば。私にもできることを探して、少しでも釜石の手助けがしたい。悲しみを繰り返すことなく、未来へ一歩一歩みんなで歩んでいきたい」と伝えた。

 点火式の後、会場内の灯籠へ次々に火がともされ、会場に訪れた多くの人が光を見つめながら、静かに哀悼と平和を祈った。

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