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盛岡・都南図書館で「東日本大震災資料展」 「新聞」テーマに

2011年3月の新聞14紙が並ぶ視聴覚室

2011年3月の新聞14紙が並ぶ視聴覚室

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 都南図書館(盛岡市永井)で現在、「3.11東日本大震災資料展」が開かれている。

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 同館では東日本大震災の記憶を風化させないため、2012(平成24)年から毎年、震災関連図書やDVDなどを展示する資料展を実施している。今年は2階閲覧室での図書展示と、1階視聴覚室での新聞展示の2本立ての企画展としている。

 同館での新聞の保存期間は通常10年となっているが、2011(平成23)年分については職員からの「震災の記録として長く保存した方がいいのではないか」という意見を受け、震災資料として永年保存している。今回の企画展では2011年3月分の新聞、14紙を自由に閲覧できる形で展示した。

 企画を担当する工藤俊行さんは「保存し、伝えていくことは図書館の使命の一つ。書籍などとは違って書き手の主観が入らないのが新聞の良さ。リアルという点では写真資料もあり、新聞は写真に比べて地味ではあるが、写真とは違ったリアルタイムで情報が伝わっていく様子を読み取れると思う」と話す。

 展示している新聞は県内で発行された地元紙のほか、全国紙、スポーツ紙、業界紙など。災害の前後が見比べられるように配置した。地元紙には発災直後の写真が大きく使われ、地震や津波の状況が書かれている一方、全国紙には詳細な情報が少ない記事もある。スポーツ紙では東北出身選手のコメントや、試合が中止になったことが取り上げられている。展示されているのは3月分のみだが、その後に発行されたものもカウンターなどで職員に申し出れば閲覧が可能。

 企画を担当する菅野恵子さんは「自分自身、発災翌日に新聞を読んだか、そもそも新聞が届いたのかもはっきり覚えていないが、ここに保存されているということは発行されていたという証し。どんな思いで取材し、紙面を作ったのか考えてみてもらいたい。これだけの種類の新聞がそろうのは図書館の強み。新聞によって報道の仕方や視点、表現が違う。いろんな新聞を読んで、いろんな考え方に触れてみてほしい」と話す。

 閲覧室での図書資料展示では、ここ数年の間に出版されたものを中心に紹介。普代村が発行した津波伝承絵本「普代村を守った奇跡の水門」や、大船渡市出身のシンガーソングライター・濱守栄子さんによる楽曲を基に、同市在住で陸前高田市出身のデザイナー・みうらのろこさんがイラストを手掛けた絵詩集「あの大船渡/あの陸前高田」などが並ぶ。

 菅野さんは「震災の記憶を風化させないために、図書館としてできることをこれからも考え続けていく。保存している新聞については、普段は表に出していないものなので、『図書館ってこんなものもあるんだ』と知ってもらうきっかけになれば」と話す。

 開館時間は9時~18時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。月曜休館。3月13日まで。

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