自然体験施設「安倶利(あぐり)まほら岩手」(盛岡市薮川)が現在、「氷の世界2022-ぬくもり-」を開催している。
「本州一寒い」ともいわれている薮川地域の寒さに着目し、昨年スタートした同イベント。敬遠されがちな寒さを逆手に取った地域おこしとして、「寒さを生かして氷の洞窟を作ってみよう」というアイデアから企画を立ち上げた。
イベントのシンボルとなっている巨大な「氷の洞窟」は全長10メートル、高さ5メートル。24時間の散水作業を1カ月間行って完成させる。初挑戦となった昨年はスタッフが独学で作り上げたが、思うようにいかない部分も多かったという。所長の久保田梓さんは「今回の開催に向けて、北海道へ修業に行き、洞窟の作り方を学んだ。今年は厳しい寒さも重なり、理想の氷の洞窟が完成した。ライトアップの仕方や色使いによって洞窟の表情が変わるので、そこもこだわっている」と話す。
スタッフ完全オリジナルのイルミネーションも昨年から規模を拡大。LEDライトを30万球に増量し、盛岡市内の児童が作ったあんどんが並ぶ「願いの灯火(ともしび)ロード」や「縁結び神社」のほか、多くのフォトスポットなどがある。
「薮川の寒さを昼も楽しんでもらおう」とさまざまなコンテンツを用意。凍った池を使った天然のスケートリンクや氷上ヒメマス釣り、広い敷地を生かした「謎解きウオークラリー」、4種類のそりすべり台などを常時開催している。このほか、土曜・日曜・祝日限定の「氷のバー」や雪遊びミニイベントなども期間中に実施している。
今回の「氷の世界」では、新型コロナウイルス感染症の影響で活躍の機会が減っている学生たちにスポットを当て、盛岡・岩手の学生たちによるコンテンツを組み込む。期間中17時~19時には氷の洞窟内で盛岡情報ビジネス&デザイン専門学校の生徒が制作したプロジェクションマッピング、盛岡商業高校と盛岡北高校の生徒によるフォトギャラリー展示、2月13日と20日には盛岡誠桜高校の生徒による「高校生レストラン」が行われる。
「今年の完成度は理想の60%くらい。スタッフみんなでもう来年のことを考えている」と久保田さん。「コロナ禍の中ではあるが、せっかくの岩手の冬を穏やかに過ごしてもらえたら。昼間はそりや釣り、スケートで、夜はイルミネーションで少し大人な雰囲気を、それぞれ年代に合わせても楽しんでもらえたら。来場時には防寒対策を忘れず、安全運転で」と呼び掛ける。
開催時間は10時~19時。月曜・火曜定休。入場料は大人=1,000円、小学生=700円、未就学児無料。チケットは現地のほか、オンラインでも購入可能。2月27日まで。