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「マンガ郷いわて特別賞」に荒木飛呂彦さん 岩手との縁が「新たな冒険」に

達増県知事や「第11回いわてマンガ大賞」の受賞者とともに記念撮影をする荒木さん

達増県知事や「第11回いわてマンガ大賞」の受賞者とともに記念撮影をする荒木さん

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 岩手県は12月19日、「マンガ郷いわて特別賞」の表彰式を行った。

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 「マンガ郷いわて特別賞」は、岩手の文化や暮らし、景観、おもてなしの心などを掘り起こし、その魅力を広く発信しようと県が取り組む「いわてマンガプロジェクト」の一環として、2016(平成28)年度に設立。漫画やイラストなどの企画・制作・広報といった活動を通じて、岩手の魅力発信や文化芸術振興、東日本大震災津波からの復興などに貢献した個人・団体・作品を表彰する。

 「第6回マンガ郷いわて特別賞」を、漫画家・荒木飛呂彦さんが受賞した。荒木さんは宮城県仙台市出身。1987(昭和62)年から描き続ける「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズは、国内外のファンから愛され、アニメ化やドラマ化されたほか、国内外の美術館での原画展開催など芸術作品としても国際的な評価を受ける。岩手県とは、世界遺産平泉の理念や東日本大震災津波からの復興への決意を盛り込んだ「東北復興平泉宣言」イメージイラスト、希望郷いわて国体・希望郷いわて大会の「いわて人間賛歌」のイラストを制作したつながりがある。東日本大震災と平泉の世界遺産登録から10年を迎える今年、受賞者に選ばれた。

 表彰式に荒木さんはリモートで出席。達増拓也県知事から県産木材を使用した表彰状と副賞が贈られた。副賞の一つである岩手のブランド米「金色の風」について、「『ジョジョ』シリーズに出てきそうなネーミングだ」と紹介があると、荒木さんも思わず笑顔を浮かべた。

 荒木さんは「『東北復興平泉宣言』と『いわて人間賛歌』のイラストは、『ジョジョ』のキャラクターを使わずに表現してほしいという依頼だった。これは漫画家として芸術的な新しい冒険であり、今までにない仕事を受けるきっかけにもなった。平泉のイラストは歴史を踏まえながらキャラクターを作るのは大変だったが、楽しく、新鮮な仕事だった」と話す。「いわて人間賛歌」のイラストについては「『ジョジョ』シリーズに登場するキャラクター・徐倫(ジョリーン)の魅力も取り入れて描いた」とも。

 「漫画好き」として知られる達増知事は「『ジョジョ』シリーズは自分が大学最終学年の時に始まり、ずっと読み続け、社会人として歩みを共にした作品。荒木先生は仙台出身だが、地元の漫画家であると感じている。先生と岩手の縁をつなげてくれた2つのイラストは全国・海外から反響があり本当に驚いた」と話す。

 岩手県は荒木さんにとって「子どもの頃から訪れる思い出の地の一つ」であり、取材で訪れたこともあるという。荒木さんは「妖怪の取材で遠野に訪れた時、本当に妖怪がいるようなオーラも感じた。例えば『ジョジョ』に登場する漫画家・岸辺露伴(ろはん)も岩手に取材に来ているイメージがある。岩手は特別にファンタジーをかき立てる場所。そういう魅力を大切に、これからも何らかの形で地域に貢献できれば」と話す。

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