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岩手産木材の「消毒液スタンド」が準グランプリ 職人の技と思い込めて

準グランプリを受賞した「クラフトマンスタンド」。子ども用のスタンドを作る発想から生まれた

準グランプリを受賞した「クラフトマンスタンド」。子ども用のスタンドを作る発想から生まれた

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 漆の精製加工・漆塗り製品の販売などを行う「浄法寺漆産業」(盛岡市北飯岡)と軽米町の「福田木工所」が共同で開発した木製の足踏み式消毒液スタンド「クラフトマンスタンド」が、「IWATE FOOD&CRAFT AWARD」クラフト部門で準グランプリを受賞した。

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 「IWATE FOOD&CRAFT AWARD」は、岩手県と「いわての物産展等実行委員会」が主催する、県内で開発・改良・製造された商品を大賞としたコンクール。県を代表する新たな特産品の開発促進を目的とし、事業者の商品開発意欲の喚起や出品・入賞商品の販路開拓などを図る。

 準グランプリを受賞した「クラフトマンスタンド」は市販の手指消毒用アルコールや除菌用ジェルなどの容器を台座部分に置き、スタンド下部にあるペダルを踏むとポンプが押されて液が出る仕組みの足踏み式スタンド。岩手県産のスギを使い、軽量で取り扱いしやすく、シンプルで丈夫な構造なのが特長となっている。一般用と子ども用の2サイズを用意し、2020年12月に発売して以来、累計で170台以上を売り上げた。

 浄法寺漆産業の松沢卓生社長は「出品商品は毎回レベルが高く、どれもユニークなものばかり。その中で準グランプリに選んでもらえたことは、県産の商品としてお墨付きをもらえたことだと思う。本当にうれしい」と喜ぶ。

 木製の消毒液スタンドを開発した背景には、発売当時にはまだ子ども用の消毒液スタンドが少なかったことがある。一般的な大人用の足踏み式消毒液スタンドは、体の小さい子どもたちが使うには大きすぎる上、消毒液が出る部分がちょうど子どもの顔の高さにあるため消毒液が子どもの顔に掛かるトラブルも見られた。そこから「子どもサイズがあれば」という発想で開発を始めたという。消毒液スタンドの多くは金属やプラスチック製が多く、「コロナ禍の不安な気持ちを和らげるような、温かみが感じられるスタンドが作れないか」という思いで素材に県産木材を選んだ。

 子どもサイズがある点から幼稚園や保育園、病院など子どもが利用する施設が設置し、子どもがスタンドに興味を持って、自分から進んで手指の消毒をする様子もあるという。松沢さんは「『木製なんだ、仕組みはどうなっているんだろう』という気持ちで近づいてもらって、自然に消毒までしてもらえる流れができていると思う。手指の消毒が日常的な習慣になった今だからこそ、義務感というよりは興味を持って使ってもらえることがうれしい」と話す。

 入賞商品は東京都内のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」で販売会が行われる予定。県外へのさらなるPRにも期待を寄せる。今後はニーズに合わせたさまざまなタイプの「クラフトマンスタンド」の開発も考えているという。「少し高価になってしまうが、漆塗りのスタンドもありだと思う」と松沢さん。

 「職人が手掛けたという意味を込めて『クラフトマン』と名付けた。職人の技術の高さ、創意工夫が詰まったアイデア、丁寧なものづくりが評価されたことは本当に大きい。岩手ならではの消毒液スタンドにもっと親しんでもらえたら」と呼び掛ける。

 価格は一般用(高さ97センチ)=3万800円、子ども用(高さ72センチ)=2万9,700円。「浄法寺漆産業」の本社とネットショップで販売する。

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