「第20回シワキネマ上映会」が11月23日、「オガールプラザ」内情報交流館2階大スタジオ(紫波町)で開催される。
「シワキネマ」は紫波町に在住・勤務するメンバーで構成された映画上映団体で、年に数回映画の上映会を企画・実施している。新型コロナ禍の影響を受けながらも、昨年と今年は感染対策を行いながら数回上映会を行ってきた。
代表の小田中卓也さんは「顔を合わせる機会が減り、映画館で知り合いに会うこともなく、会えたとしても語り合うことはなく、仕方ないとはいえ寂しさはあった。上映会は、映画好きが集まる場所になっている。長い時間語り合うのは難しいが、一緒にスクリーンを見つめることができるのはうれしい」と話す。
20回目の上映作品に選んだのは、アメリカのロックバンド「トーキング・ヘッズ」による1983年のライブを撮影したコンサートフィルム「ストップ・メイキング・センス」。作品選びのきっかけとなったのは、同バンドの元フロントマン、デイヴィッド・バーンさんによるブロードウェーショーを撮影し、今年上映された映画「アメリカン・ユートピア」だった。
トーキング・ヘッズを知らないまま「アメリカン・ユートピア」を見たシワキネマのメンバーから、「トーキング・ヘッズの映画があるらしいから上映してみよう」と提案があった。もともとトーキング・ヘッズファンである小田中さんは「『曲が良かった、面白かった』という感想を聞いた時はうれしくもあったが、正直驚いた」と言う。上映に向け配給会社へ問い合わせたところ、日本での上映権が今年いっぱいで終了することを知り、「大きなスクリーンで見るなら今だ」と上映会を企画した。
当初は9月に開催予定だったが、岩手県内で新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続いていたため11月に延期。今回は2回の上映を予定している。1回目と2回目の間には、紫波町在住の絵はんこ作家でエッセイストのあまのさくやさんと、小田中さんによる「新旧トーキング・ヘッズファンのトークイベント」も準備中だという。
20回目の上映会を迎えても、特別なことはせず、「自分たちが見たい映画を上映する」スタンスを続けるシワキネマ。今回の上映会では「新しいトーキング・ヘッズファン」との交流にも期待している。小田中さんは「ファンとしてはトーキング・ヘッズを知らないまま、アメリカン・ユートピアを見た人が多いのが面白い。新しいファンの感想を聞いてみたい」と話す。「ストップ・メイキング・センスは関わっているスタッフも大御所ぞろい。日本での上映機会はこれが最後かもしれない。映画でのライブ体験を楽しんで」と呼び掛ける。
上映開始時間は1回目=13時、2回目=15時20分。料金は前売り=1,200円、当日=1,500円。1回目、2回目のどちらかへ入場可能。前売り券はオガールプラザ内情報交流館総合案内で販売するほか、シワキネマのSNSなどで予約を受け付ける。