「日本博を契機とした障害者の文化芸術フェスティバルin東北ブロック」が10月16日、「いわて県民情報交流センター アイーナ」(盛岡市盛岡駅西通1)で開幕した。
「日本人と自然」を障がい者の視点を通じて国内外に発信する文化とアートの祭典。2020年2月に滋賀県で行われたグランドオープニングを始まりに2022年の3月まで、全国50万人の関係者と連携しながら全国7ブロックで開催する。
東北ブロックは5ブロック目。「いわて県民情報交流センター アイーナ」をメイン会場に、障がいのある作家らによる作品の展覧会や舞台芸術公演、手話通訳やバリアフリー字幕、音声ガイド、英語通訳、要約筆記を導入したバリアフリー映画と演劇の上映などが行われる。
16日に開幕した展覧会「アール・ブリュット-日本人と自然-」では、グランドオープニングに出展し全国を巡回する14人の作家の作品に加え、岩手・東北の作家14人の作家の作品を合わせて約150点展示。岩手県や東北の作家の作品からスタートし、後半で全国巡回の作品を紹介する。作品は絵画や立体など多岐にわたり、岩手からは坂本三次郎さん、高橋和彦さん、田崎飛鳥さん、水沼久直さんの作品が並ぶ。
展覧会会場の入り口にはデジタルサイネージが置かれ、東北の作家らが撮影した何気ない風景の写真や映像が流れ、障がいのある人とない人が同じ日常に生き、日常の中からアートが生まれていることを表現している。期間中は「まちかどギャラリー」と題し、アイーナ会場で展示している作品の中からピックアップした作品の複製パネルを肴町商店街アーケードで展示している。
23日・24日にはアイーナ内で障がい者による舞台芸術公演やバリアフリー映画、バリアフリー演劇の上映なども行う。新型コロナウイルス感染症対策のため、多くは事前収録した映像を上映するが、23日に行われる舞台芸術公演「花柳光明子さんによる日本舞踊」のみライブ公演。事前予約不要で、観覧希望は直接会場で受け付ける。花柳光明子さんの公演は14時15分~14時40分。
フェスティバルでは、障がいの有無に関わらず誰もが楽しめるバリアフリーにも取り組み、来場者の滞在や鑑賞をサポートするウエルカムセンターの設置、気分が優れない人のための休憩室「カームダウンスペース」の用意、手話や要約筆記などによるプログラムの情報保障、アイーナから肴町への福祉車両によるシャトルバス送迎、英語通訳者の配置を行っている。
担当者は「障がい者によるアートは特別視されがちだが、心の内で感じたものを表現するという点は誰もが持っているもの。アートを楽しむ皆さんにも、この表現が好きだな、面白いなと心で感じた感覚のまま楽しんでもらいたい。障がい者ではなく、1人の作家としてその人の表現を見てほしい」と呼び掛ける。
展覧会は10時~16時。フェスティバルの全プログラムが入場無料。今月24日まで。タイムスケジュールは岩手県社会福祉事業団のホームページに掲載している。