盛岡市は9月15日、新型コロナウイルス感染症の基礎知識や感染防止のこつなどを動画で紹介する「正しく学べる!『コロナのコト』」の配信を動画配信サイト「ユーチューブ」で始めた。
きっかけは、8月ごろから岩手県内で感染拡大の傾向が強まったことだったという。市ではホームページや広報を使って周知を行っていたが、より幅広い媒体を活用することを検討していた。特に子どもたちや若者の間で感染の広まりが見られたことから、若い世代にも届きやすいデジタル媒体での効果を期待し、動画の活用を決めた。
動画には盛岡市保健所の矢野亮佑所長が登場。新型コロナウイルス感染症の患者への聞き取りや健康観察などを行う保健所の立場から感染対策のこつや新型コロナウイルスに関する新しい情報を届け、疑問に答える。市広聴広報課の担当者は「現場の最前線で動く皆さんの生の声には切実さや納得感があり、動画を見る皆さんにも聞きやすいと思う。矢野所長だけではなく、保健師の皆さんの出演なども考えている」と話す。
動画の内容は、その時々の新型コロナウイルスに関わる状況と傾向を見ながら、市民の興味関心に合わせた話題選びを心掛け、主に感染予防につながることや間違って覚えてしまいがちな知識などについて伝える。見てもらいやすいよう5分以内程度の短い動画で作り込み、正しい知識と理解を持ってもらうことを狙う。視聴者が書き込めるコメント欄を使った双方向のやり取りも視野に入れ、コメント欄に寄せられた疑問などに答える内容も想定している。
動画は週に1回のペースで配信し、今のところ終了時期は未定としている。現在は3本の動画が公開され、1本目は日常生活で感染しやすい隙について、2本目では若者の感染や重症・中等症・軽傷の違い、後遺症などについて、3本目ではマスクの予防効果や正しい着け方について紹介している。今後も状況に応じた内容で配信を続ける。
担当者は「県内や市内での新規感染者は減少し、状況も落ち着いているが、これから人流が増えたり、寒い時期が近づいたりすると、また感染者が急増する可能性もある。油断することなく基本的な感染対策を続けてほしい。そこにつながる情報を動画で伝えていきたい」と話す。