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盛岡八幡宮に「花手水」登場 季節の花で明るい話題と楽しみを参拝者に

季節の花が浮かぶ華やかな「花手水」

季節の花が浮かぶ華やかな「花手水」

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 盛岡八幡宮で現在、手水(ちょうず)舎の水の上に季節の花を浮かべる「花手水」を行っている。

参道に設置された「ミストアーチ」。南部鉄器の風鈴の音も涼しげ

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 神社や寺院で参拝前に手を清める手水舎に花を生ける「花手水」は全国の神社・寺院で行われ、見た目の華やかさから人気を得ている。花手水が広まっている背景には新型コロナ禍の影響もあるという。参拝者が共用のひしゃくを使うといった理由から、感染症対策のためひしゃくや手水舎自体の使用を中止したりする寺社もある。そこで、手水舎に花を飾り参拝者を迎える取り組みが広がっている。

 盛岡八幡宮では初めての試みとして4月15日に開始。同宮の手水舎でも感染症対策のためにひしゃくを使わない流水式に変更している。全国の寺社での取り組みを知り、「コロナ禍で暗い気持ちになりがちだが、少しでも心が晴れれば」という思いを込めているほか、神社の中で写真が撮れるスポットを増やしたいという考えもある。

 担当者の廣田澄人さんは「境内の中には写真に撮りたくなるような景色がたくさんある。以前はスマートフォンを置いて写真が撮れる台を社殿の前に置いていたが、コロナ禍の影響もあって現在はやめている。花手水は、参拝する皆さんが少しでも楽しめる風景が増えたらいいなという思いや、四季や風情を感じて癒やしになればという思いを込めた」と話す。

 季節ごとの花を飾り、毎月1日と15日ころに月2回のペースで入れ替えている。水に生ける作業は花を扱う業者が担当。同宮のスタッフらもどんな花が飾られるか毎回楽しみにしているという。参拝者は足を止めて写真を撮り、SNSなどへ投稿する人も多いという。意外な効果として、「手水をする人が増えているのに驚いたし、うれしいことだ」と廣田さん。手水舎には作法に関する説明が掲示されていて、参拝者が説明を読み、正しい作法で手を清める人も増えているという。

 新たな取り組みとしてもう1つ始めたのが、暑さ対策のため水を霧状にして噴射する「ミストアーチ」の設置。同宮の参道は石畳で、晴れた日は照り返しが強く暑い。今年は例年に比べて暑さが厳しく、参拝者に少しでも涼んでもらおうと設置した。ミストアーチは特に子どもから人気で、境内では夏休み中の子どもたちが集まってラジオ体操に取り組んでいたため、ラジオ体操を終えた子どもたちがミストを浴びて喜ぶ姿もあったという。

 コロナ禍の影響を受け減少していた参拝者も、「疫病退散」の思いから少しずつ戻っている。参拝時にはマスクの着用、手指の消毒など感染対策への協力も呼び掛ける。廣田さんは「どこにも行けない日々が続く中、神社で気持ちを癒やしてもらいたいが、体調不良の時は無理せずに」と話す。

 花手水は10月ごろまでを予定。来年以降も継続していく考え。花手水の様子は同宮のSNSでも伝える。

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