古着店の運営などを行う「アップスタート」が現在、盛岡市内の百貨店「パルクアベニュー・カワトク」(盛岡市菜園1)7階に期間限定店舗「THE RE:VER CLOSET(ザ・リバークローゼット)」を出店している。
同社はこれまで市内の商業施設などでの催事や期間限定出店を行ってきたが、パルクアベニュー・カワトクへの出店は今回が初。今回の出店の目的は、百貨店と古着店の双方が抱える課題の解決。カワトクでは新型コロナウイルス感染症の影響を受け、人気ブランドの退店が重なり、顧客ニーズへの対応が課題となっている。加えて、若年層やファミリー世代が来店するきっかけづくりも模索していたという。
古着店を運営するアップスタートとしても、古着のイメージの一新や新たな客層の獲得、商品提案などの課題を抱えていた。今回の出店は、百貨店側としては「新たな客層の獲得とニーズへの対応」、古着店側としては「百貨店が持つ客層へのアプローチ」といったメリットがあり、互いの課題解決につながる取り組みとなっている。店名の「RE:VER」は古着を表す「リユース」と、カワトクの「川」を英語にした「リバー」に掛けた。
同社社長の成田陽平さんは「10代から30代は古着ブームなどの影響もあって古着への親しみやなじみがある。40代以上は古着に抵抗を示す人や、汚くて質が低いイメージを持つ人も少なくないが、リユースの観点から古着に興味を持つ人も増えているように感じる。だからこそ、今回は特に状態が良い古着を並べ、ネガティブなイメージを払しょくしたい思いがある」と話す。
「THE RE:VER CLOSET」は百貨店のテイストに特化した古着店として、「カワトク利用者のニーズに応えること」にこだわる。ターゲットの幅を普段の催事よりも狭く設定し、商品ラインアップはレディース古着と靴、バッグ、アクセサリーなどの服飾雑貨に限定。従来の百貨店で販売しているようなテイストやブランドの服をそろえるほか、商品を素材ごとに陳列する工夫も取り入れる。店頭ではスタッフが洋服のケアについての相談にも対応。古着を長く着るためのフォローも行う。
常設店舗や催事・出店に比べて価格帯はやや高めだが、それがカワトクの客層と合致。利用客からは「古着と思えない」「安くて驚いた」という声も集まっている。今後も同店への出店を継続していく考えもあるという。
成田さんは「上質な古着にこだわって商品を選んだ。ここに並ぶものの中には、若者向けの常設店舗や普段の催事では埋もれてしまうアイテムもある。ディスプレーや紹介の方法を古着の見え方が変わってくるというのはわれわれとしても大きな発見。訪れた皆さんにも、古着や百貨店について新たな発見につながれば」と呼び掛ける。
営業時間は10時~19時(最終日は17時まで)。期間は5月18日まで。