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盛岡町家物語館で「中村誠ポスター展」 色あせないデザイン、2期にわたって紹介

モデルの山口小夜子を起用した資生堂時代のポスター

モデルの山口小夜子を起用した資生堂時代のポスター

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 「もりおか町家物語館」大正蔵2階「時空(とき)の展示室」(盛岡市鉈屋町)で現在、「中村誠ポスター展」が開かれている。

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 大正時代に建造された酒蔵を活用した「大正蔵」は1階部分が販売コーナー、2階部分が常設展示室となっていたが、今年で築100年を迎えるに当たりリニューアルを実施。これまで昭和時代のおもちゃやレコードなどが飾られていた2階の展示室は盛岡市が所蔵する美術品を中心に定期的な展示を行うこととなり、その第1弾として「中村誠ポスター展」を開催している。

 中村誠は盛岡市肴町出身のデザイナー。化粧品メーカー「資生堂」のアートディレクターを務め、数々の革新的なポスターをデザインしたことで知られている。中村は生前、代表作品の多くを盛岡市へ寄贈。同施設からも近い肴町とゆかりがあることから、より身近に感じられるデザイナーとして寄贈した作品を2期にわたって展示する。

 第1期は「街角を飾ったポスターたち」がテーマ。中村が資生堂のアートディレクター時代に手掛けた代表作を中心に、1960年代から80年代にかけて昭和の店頭に飾られてきたポスター19点を展示する。展示作品の中には、当時はまだ無名だった前田美波里さんを起用し業界初のハワイロケを敢行したポスターや、モデルの山口小夜子を起用した神秘的なポスターなども並ぶ。第2期は中村のクリエーターとしての仕事に着目し、資生堂以外で手掛けた作品を展示し、その才能に迫っていく。

 担当者は「来場者からは『懐かしい』という声も多いが、若い世代からは『こんな人が盛岡にいたんだ』という驚きもある。中村さんが手掛けるポスターの数々は今の時代に見ても古さを感じない、斬新でインパクトがあるデザイン。当時は写真を使ったものは珍しかったようで、時代の移り変わりにも注目してほしい」と話す。

 開館時間は9時~19時(最終入場は18時30分まで)。入場無料。第1期は6月27日まで。第2期は7月2日開始予定。第4火曜休館。

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